こどもとの出会い:おもちゃライブラリー

夢が咲く

こどもに関わる活動を始めたのは、高校1年生の時。

入学を決めた学校で、私は編入生でした。

中高一貫の学校だったのですが、高校から欠員補充として若干名の入学があり

その中の1人でした。

 

中学校3年間で人間関係のできあがったところへの入学。

学校の中に自分の居場所をつくるのに、苦労していました。

そんな時、同じく高校から入学した1人が

市のボランティセンターに登録したという話を聞き

そんな選択肢があったか、と、真似して電話をしてみたのです。

 

ボランティアセンターで紹介して頂いた活動に、次の週から参加しました。

「おもちゃライブラリー」という取り組みでした。

ハンディを持つお子さんも、そうでないお子さんも、おもちゃを介して一緒に遊ぶ場です。

参加したおもちゃライブラリーは

市の総合福祉センターの一室を使い、月に2回開催されていました。

 

最初の日は、1日中雨の降る日。3歳の双子の女の子が来ていました。

その2人と、一緒に過ごした2時間を終えた時、

しばらく感じていなかった、すごく満ち足りた想いがあることに気づきました。

高校に入学してからしばらく、ずっと居場所がなかった私にとって

自分が誰かに頼られる時間というのが、本当に有難かったのです。

 

高校を卒業するまで、ずっと通い続けました。

いつも来てくれるこどもたちや、お母さんたちと仲良くなりました。

とりわけ、毎回毎回必ず来てくれたのが双子ちゃんでした。

2人の表情や好きな遊びの違いも分かり、

お母さんに服の色を教えてもらう前に、見分けられるようにもなりました。

 

身体を動かして遊ぶことが好きな方の1人は

隙あらば給湯室にしのびこみ、水遊びしようとねらっていたり

高い窓の桟に上ろうとしたり

階段を駆け下りて逃げ出そうとしたりと

部屋の中におさまっていませんでしたが

追いかけては、おんぶして、ゆらゆら揺らしながら館内を歩く時間が好きでした。

 

「どうして、こどもが好きなの?」と

母になるまでは、よく聞かれました。

好きに理由はありません。

ただ、最初の幸せな出会いがあったから

私はずっとこどもと関わる活動を続けてきたように思います。

あの時、自分が必要とされる場所がどこにもない、と感じていた私に

居場所を作ってくれたのは、確かにこどもたちでした。

そのこどもたちへ、何かをお返ししたいような

そんな気持ちもあるのかも、しれません。