「保育」という仕事の専門性

保育士という仕事

私の仕事。
知識よりも経験をいかせるところで、
できることを開拓してきましたが
最近は、専門性を求められる仕事や
理論に裏打ちされた実践を求められることが
増えているように感じていました。

感じた時が学び時。
自分にあれこれ言い訳をしてずっと逃げてきた保育士試験を受験。

科目の多さは、知っているつもりでしたが
試験準備を始めてみると
自分が認識していた以上でした。

筆記が9科目と実習。
実践のための理論や、発達心理はもちろんのこと
栄養や病気のこと、福祉全般の知識や法制度まで。
試験勉強をしながら
あぁ、保育士と言う仕事は広くて深い専門性が必要な
専門職なんだと、実感しました。

でも残念ながらその専門性は、なかなか伝わっていません。

色々な要素があるのでしょうが
「親の代わり」と受け留められていることにも
大きな課題がありそうに感じます。

「親の代わり(=家庭の代わり)」だと考えるから
誰でもできること、と感じてしまうのでしょう。
でも、保育士は、「親の代わり」ではない。
子どもに対して「親にはできない関わり」をする人だと
私は考えています。

「親にはできない関わり」というのは、例えば、
人の育ちに対して先の見通しが持てること。
子どもの行動を一歩引いて見られること。
子どもの成長や楽しみにつながる材料を多く持っていること。
現場に出ている保育士さんは、そんな事例を
もっともっと沢山持っているのでしょう。

そして、保育士が、親にはできない関わりをする大人だとしたら
一方の親には、親にしかできない関わり方があります。
保育士さんは、親の代わりにはなれないと思うのです。
(もちろん、親の持つ機能の一部 時には大部分を
受け持っている事例もあることは認識しています。)

保育士という仕事の在り方は
ここ数年、きっと色々な場面で問われていくのだろうと思います。
「人を育てるという尊い仕事」という観念的な話ではなく
「家庭ではできない専門性を発揮している」と伝えたい。
そこから、そもそも人を育てることは複雑さで難しくって
多くの人が必要だ、ということの気づきにつなげていきたいなぁと
思うのでした。

私の、試験結果が出るのはもう少し先です。