【小さな遊び】絵本の物語を楽しみ、生活の物語を楽しむ (2019年2月のあそび風景から③)

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『あそびのじかん』出版を機に
発信を始めたページです。
日々の小さな遊びの風景に目を留めたり、
遊びについて立ち止まって考えたりすることが目的。
また、 私の感性も磨き続けていたいと想い、更新しています。
facebookに投稿した「遊びの風景」を、
こちらにも随時載せていくことにしました。


2019年2月20日
【えほんであそぼ】
『もりのピザやさん』偕成社
(舟崎 靖子・ 奈良坂 智子)


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「もりはおもしろランド」は
シリーズ全15冊。
図書館には全冊揃っていました。

絵本の見開きには
全冊共通の「もりのちず」があって
その地図を眺めながら
物語に登場する仲間たちのおうちを
たどって遊びました。
もりの仲間たちのことは
自分の友達と同じで
その仲間たちの住むちずを見て
ここにあの人がいるんだなーって思うのは
本当に楽しかった。
お話以上に、地図を読んでいました。

ハリネズミのゆうびんやさん。
いたちのおかしやさん。
たぬきのおもちゃやさん。
カエルのお天気相談所。
うさぎのクリーニングやさん。

さて。
もりのピザやさんのお話は
もりの仲間たちがみんなで
巨大な「もりのちずのピザ」を作るお話。

絵本を読むと、ムスコは
「もりのちずのピザ」が作りたい、
と言いました。

作るしかありません。

もりの中央には、
大きな「なまずの池」があって
これはチーズで作ります。
おうちは、にんじんとじゃがいもで。
森の木々はマッシュルームで。

できあがったピザは
見た目には、絵本のようにはいかず
色々載せたかった具が
ごちゃごちゃと
混ざり合っていたものだけれど
まぎれもなく「もりのちず」でした。

夕飯に食べました。
大満足でした。
その過程のすべてがあったから
大満足でした。

はりねずみのゆうびんやさんは
食いしん坊で。
いたちのおかしやさんは、
「自分の形のケーキ」を作ってくれて。
あなぐまのじてんしゃやさんには
動物の特徴に合った自転車があって。

そんな森の仲間たちの物語は
何度も何度も読みました。

もう5年生にもなったムスコだって
今も「ねずみおじょうさんは?」と
クイズを出せば
即座に「サンドイッチ屋さん」と
答えられるくらい
親子の共通の話題になっていたなぁ、
ありがたいことだなぁ、と思い出すのです。


2019年2月21日
【えほんであそぼ】
『もりのぎんこう』偕成社
(舟崎 靖子・ 奈良坂 智子)


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水やりは楽しい。
ジョウロも楽しい。
水の流すこと、流れる様をみることが
魅力的なのかなぁ、と思います。

ただ、自分の水やりで
種から芽が出て、それが成長する
というところまでの理解は
小さい子どものイメージできる時間軸より
少し長いのかな、と思うこともあります。

そういう時に
わくわくを助けてくれるのが
絵本なのだろうなぁ。

「正しく知る」ことが目的ではなく
育つことのわくわくを味わう物語。
わくわくした気持ちの実体験として
水やりが楽しめたら
そこが絵本と遊びの交点かな。

昨日、遊びに使った
「もりはわくわくランド」の中に
異色の1冊があります。
『もりのぎんこう』。
何が異色かと言えば、
物語の終わりまで、お店に名前がつかない。

いのししさんは
もりのなかまたちから種や鉢を預かり
それを半年かけて成長させてお返しする。
なかまたちは、お礼にと
成長した果実のジャムや
花の株や、種を置いていくのです。

植物が育つまでの時間を
リアルに描いているところが
とても誠実です。
季節が移ろい、植物も育つ。
絵本は事実を伝えるだけでなく
事実に伴う感情も運んでくれるから
子どもたちの世界が広がるのだなぁと
改めて思うのです。

ところで、この1冊。
貨幣の流通していない「もり」ならではの
「ぎんこう」のとらえ方が
私はとても好きなのですが
それはまた別のお話。

植物が育つ絵本、って
なかなかすぐに思い当たらなくって。

『はないっぱいになーれ』『エディのやさいばたけ』など、
少し対象年齢の高いものが思い浮かびます。
実際の植物が育つまでに
少し時間がかかるからかなぁ、なんて
予測したんですが、どうなのかしら?

少し時間がかかるからこそ
先の見通しが持つことを
絵本が助けてくれるといいな、と思いました。


2019年 2月22日
【えほんであそぼ】
『鏡の国のアリス』

『鏡の国のアリス』は、
日本語版は原作に近い読み物が多く
絵本は見つけられませんでした。
私が小学生の頃に読んだのはこちら。
『鏡の国のアリスの算数パズル』 さ・え・ら書房
(山崎 直美)


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アリスがチェスの駒になる、という
鏡の国のアリスのお話。

チェス、という遊びや
遊び方の一部を知ったのは
この絵本でした。
1冊の絵本が
新しい遊びを教えてくれる
そんなシンプルなつながりです。

今もチェスを見るたびに
アリスを思い出します。

本物のチェスの駒を初めて見た時、
あっ、鏡の国のアリスだ、と
思いました。

物語の背景には
子どもたちにとって
何が身近な存在であるのかが
関わっているのですね。


2019年2月25日
【えほんであそぼ】
『くりんくりん ごーごー』福音館書店
(佐々木マキ)


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新しい音を教えてくれる絵本は
音のまねっこをするだけで
絵本のまねっこ遊びになる。

そうやって
共通のあそび言葉が増えていくことが
親子のあそびなんだなぁと思う。

親子の遊び、というのは
日常なので
大層なことでなくていいと思う。
ふとクチにのぼる言葉が
あ、あの絵本と同じだね、という
ちょっとした会話が
充分に絵本あそびであり
言葉あそびであると思う。

親子の遊びは
がんばらなくていい。
それくらい気軽に考えなくちゃね。


2019年2月27日
【えほんであそぼ】
『はらぺこあおむし』偕成社
(エリック・カール作 もりひさし訳)


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ごく小さい人が出会うもの
例えば、絵本も、おもちゃも
近しい大人とのコミュニケーションを
助けてくれるものであってほしいのです。

小さな子どもも大好きな
はらぺこあおむしくん。
あおむしくんを作ったら
それで終わるのではなく
こどもの身体をツンツンしたり
食べる真似っこをしたりと
コミュニケーションを助けてくれるものとして
使ってもらえたらいいなぁ。

ごく小さい子どもにとっての遊びは
近しい人との気持ちのやりとりってことを
大切に大切にしていきたいです。

絵本も おもちゃも
わらべうたも あそびうたも

特にごく小さい人のためのものは
子どもと関わることを
助けてくれているんだと思う。

絵本があれば、
話しかける言葉が出てきやすいし
小さなおもちゃがあれば
何かしら関わることができる。
うたを1つ知っていれば
自分の声で聴かせることもできる。

ごく小さい人にとって
近しい人との気持ちのやりとりができる
「あそび」は
かけがえのないものであると思うから。

その「あそび」が実現できるような
そんなちょっとしたヒントを
大切にしていきたい。


2019年2月28日 ·
【えほんであそぼ】
『しんせなともだち』福音館書店
(方 軼羣 作 / 君島 久子 訳 / 村山 知義 画)


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大人の思う「いい話」こそ
こどもの受け止め方を
大事にしたい。

教訓とか、戒めとかではなく
心に素直に感じることに
そうだね、って共感したい。

動物さんみんなのおうちを作って、
動物さんみんなに食べ物を用意した。
楽しいおうちごっこ。

思いやりを学んでもらいたい
この絵本だけれど
それに気づくのは後でもいい。
自分の感じるままに
絵本を味わっていれば
大切なことのエッセンスは
ちゃんとココロに沁みていると思う。

何気ない遊びでも
「あ、あの絵本のことを覚えて
 絵本のごっこ遊びをしてるんだ!」と
思うことがあります。
絵本の世界が子どもの中に
生きている感じ。たのしい。


2019年3月4日
【えほんであそぼ】
『あおくんときいろちゃん』
(レオ・レオニ:作 藤田 圭雄:訳)


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あおくんときいろちゃんの絵本は
子どもたちは、色ひとつひとつを
ひとりひとりの生き物として理解し
そこに物語を見いだせるってことを
大人たちに思い出させてくれる。

あおくんときいろちゃんの世界を知っていれば
お話作りはこわくない。
色ひとつひとつの全てに
心を重ねればそれでいいんだね。

あおくんときいろちゃんは
大人たちには衝撃を与える本らしい。

でもこどもたちは
色のマル、ひとつひとつを
ちゃんと生き物として認識する。

ペットボトルだって、えんぴつだって
ぼうしだって
みんな生き物として認識しているもの。

きっと、それと、同じことじゃないかな?