私の好きな世界のMuseum:3ボストン美術館

こんなすてきな場所に出会えたんだよね!と、私がいつも好んで話題にするのがボストン美術館。
全米有数の規模のArt Museumで、日本美術のコレクションが充実していることでも知られている。

・・・というガイドブックな側面を持つボストン美術館ではなく、近所にあるすてきな場所、という感じの、敷居の低さが好き。

最初に訪れたのは、ファミリー向けのイベントの日。館内のいくつもの場所で、子どもたちのためのワークショップが実施されていた。展示室のど真ん中にシートを敷き、展示作品に囲まれながら、制作に没頭できるという環境に、まず驚く。

展示作品を見ながら、簡潔な説明があり、そこから作品を作る。すてきな作品を見たら、自分でも何か作りたくなる、という、創造意欲を誰もが持っていることを信じていると、こういうワークショップが思いつくんだろうなぁ。

例えばこんな体験。
ステンドグラスを観て、セロハンの作品を作る。
浮世絵を参考に、すごろくのコマを考える。
風見鶏をイメージして、干支のオブジェを作る。

展示作品に発想を得て作ると、みんな元の作品に似てしまうんじゃないか、と思うかもしれないけれど、全くそんなことはない。むしろ誰もが自由に作品作りに没頭していたように見えた。発想の入り口があるからこそ、自由になる感じ。

そのワークショップの作り方がとても好きだなぁ、と感じたので息子に、夏休みにはアートクラスにも参加してみない?と誘ってみた。
5日間のアートクラスは、毎日、館内の作品を見ては、アトリエに戻って、作品を作る、という繰り返しで、5日目には、作品が詰まった大きな箱を誇らしげに抱えてきた。(帰宅した息子は、30分以上の時間をかけて、作品を全部解説してくれた。きっと全部の作品に思い入れがあったのだろう。なんて幸せな体験!)

アートクラスでは、もう1つすてきなことがあって、なんと、保護者は、アートクラスの5日間、美術館に入り放題! 1日で全部まわらなくちゃと、腰と足が痛くなりながらノルマのように鑑賞しなくてもいい。好きなお菓子を少しずつ味わうように、毎日ちょっとずつ、観たい展示だけ観ればいい。保護者にも、美術館の楽しみ方を、さりげなく伝えてくれる、粋なはからいだなぁ、と思う。


アートを楽しむ、ってどういうことなのか。
鑑賞すると創造することは表裏一体であること。そこに難しい流儀は必要ないこと。それでいて、やっぱり、誰かが時間と想いをかけて作り上げたものは、観るものを圧倒するチカラがあること。
そんなことを、色々考えることができたなぁと思う。

のんびり行くことをおすすめ。

■訪問データ

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Museum of Fine Arts, Boston
-所在地:アメリカ合衆国
-訪問日:2014年5月から2015年8月の間に5~6回以上。