Museumという場を味わいつくすための提案をしていきたいな

Museumって言葉が日本語にもあればいいのに、って、ずっと言っている。〈博物館〉でいいんじゃない、って言われるかもしれないけれど、そうじゃない。

Museumは、博物館。
Art Museumは、美術館。
Science Museumは、科学館。

みんなMuseumの仲間なのに、日本語では、それぞれ違う言葉になってしまう。でも、Museumの魅力は、展示の中身が〈博物〉なのか〈美術〉なのか〈科学〉なのかということよりも、場の在り方にあると思うんだよね。
卵サンドでも、ハムサンドでも、野菜サンドでも、具は何でもいいから、とりあえず「パンではさんでいる」という大枠あってこそのサンドイッチだよね、という感じ。(←この例えは必要なのだろうか?)

Museumの魅力は、展示に携わる人たちが、コンテンツに対して圧倒的な造詣の深さを持っていることだと思う。(Museumの辞書的な意味とか、博物館法の話とかは、ここでは触れない。)コンテンツを良く知る人が、どうしたら来訪者にこの魅力を伝えられるだろうかと、あれこれ考えて、構成して、場を作る。来訪者は、自分の感性と好奇心がキャッチするものを受け取る。
押し付けないけれど、意図はされているからこそ、来訪者が自分にちょうどいいものと出会える。場を整える人と、訪れる人との、想いのキャッチボールのよう。

だから鑑賞の仕方は、何だっていい。
自分の気に入ったものを探しに行くのもいい。あえて解説は読まずに、好きかどうか、という自分の感性だけを頼りに鑑賞するのもいい。
国宝とか、文化財とか、著名な人が作ったとか、既に評価されているものって、どんなものだろうか、と確かめに行ってもいい。何かに興味を持つきっかけって、案外、そういう、「誰かのお墨付き」から始まるかもしれないのだし。
たった1つの見たいものを目的に、それだけを味わいに行ってもいい。
何も見ないで、建物とか空間とか、空気の流れ方が違う感じを楽しんでもいい。

私が、鑑賞の仕方は何だっていい、と言い切るのは、Museumの訪問が、親子にとって身近で気軽なことになればいいな、と思うから。とはいえ、「何でもいいよ」というアドバイスをもらうよりも、「こんな風に鑑賞してみたらいいよ」というヒントをもらう方がチャレンジできる、と思う人の方が多いかもしれない。

例えば、ここに面白いものが隠れているよ、というヒント。
コレとコレは、共通点があるよ、というクイズ。
誰かに自慢したくなるような豆知識。
1つの展示にまつわる物語。

そういうことを具体的に提案していくことって、楽しそうだなぁ、と思っている。それは、Museumを楽しむためのメガネ(=視点)だけれど、その「メガネ」は、何度か使っているうちに、日常の他の場面でも使えることに気づくからね。

世界には、不思議なものや、美しいものや、便利なものや、珍しいものや、長く使われてきたものや、まだよく分からないものが、たくさん、たくさんある。そういう、イロイロに触れることが、その人の深さになるのだと思う。

Museumって言葉が日本語にもあればいいのに、と思うのは、何らかのテーマに沿ったモノに触れられる場所が、1つのジャンルとして認知されたら、そういう場所がもっともっと増えるのに、と思うから。

Museumという場を、もっともっと味わいつくすための提案をしていきたいな。

あそびを磨こう。