春になると、小学校の国語の教科書に出ていた物語を思い出します。
ねこの赤ちゃんが生まれ、いぬの赤ちゃんが生まれ
「わたし」の家にも赤ちゃんが生まれる、
その静かな喜びが、繰り返しの手法で描かれたお話。
このお話の季節はいつだと思う?って先生が質問されたのです。
誰が答えたのか、答えていないのか覚えていませんが、
先生が続けた言葉は覚えています。
―ねこや犬の赤ちゃんが生まれる季節だから、春ですね。
それは、知っているようで認識していない、新しい知識でした。
そうか、動物が生まれる季節って決まっているんだ。
花が咲き、緑が芽吹くだけではなく
動物の命も多く誕生するんだ・・・
そのことは、季節の移ろいの中に命があるという
ある種の感動だったように思います。
わたし自身のこどもたちも随分大きくなりました。
1人目のこどもは本当に寝つきが良くなかった、と言いながら、
今では
それは、こどもの性質ではなく、私の心がリラックスしていなかったからだなぁと
良く分かります。
いいお母さんであろうと思っていました。
こどもをちゃんと寝かしつけて、寝ている間にごはん作って、そうじもちゃんとして
そういう、きちんとしたお母さんでなくちゃいけない、と思っていました。
今なら、
きちんとしてなくてもいいから
こどもの可愛さを、もっともっと眺めていたらどうかしら・・・と
そう伝えたい気がします。
春。
新しい命たちと
新しい命を授かった、新米のお母さんたちに
ゆっくり、ゆっくりね、と
そんな風に思ってもらえるような、そんな自分になれたら、と思うのでした。