テレビとつきあう

世界を見る窓

「こどもにテレビは見せない方がいいんでしょうか?」

「こどもに、ついテレビを見せてしまうのですが、どうしたらいいでしょうか?」

こういう質問をされる親御さんは、本心ではテレビは良くないんだよな~、と、思っています。

思いつつも、つい見せてしまうという現実があり、だから質問されているのです。

親がそばにいないと泣いたり、まだ1人で遊べなかったりする時に

ちょっとでも家事をはかどらせたい、せめて夕飯くらい作りたい

そう思った時に、テレビの力に頼る場面は、多くの親たちが経験していると思います。

 

「テレビは見せない方が・・・」という質問には、

見せないで済むにはどうしたらいいのか、という想いと

でも少しくらい見せても大丈夫、って誰かに安心させてもらいたい想いが混在しています。

更にその奥深くには、毎日こどもと奮闘している自分を認めてもらいたい気持ちもあります。

 

そう思うと、「見せない方がいいですよね。親子で向き合う時間を大切にしましょう。」なんて

安易にお答えできません。

 

テレビがこどもに与える悪影響は、多くのメディアで指摘されています。

そのことを踏まえて、家庭として、どのようにテレビと付き合うのか、

そこは親の意思で選択した方がいいと思います。

選択の1つは、テレビのない生活をすること。

もう1つは、テレビとの関わり方を親子で練習すること。

(無自覚に観る、という選択は、私はおすすめしません。)

 

テレビのない生活、という選択は、潔いです。この時は、親もテレビを観ません。

最初からなければ、観たいとも思わないし、あるものの中で時間を過ごすようになります。

 

あるいは、そこまでの決意は持てないとしたら、テレビとちゃんと関わればいいのです。

実際のところは、テレビとの関わり方を練習する方が、親子ともに継続した意志が必要です。

テレビがない、という生活には、慣れますが

人の気持ちを惹きつけることを目的としたコンテンツを、どこかで断ち切り、消す、という意志は

毎日毎日持ち続けなくっちゃ、実践できないからです。

まずは、最初から何を観るか親が選んでおくことがいいと思います。

その上で、決めたものだけを観て、終わったら消す。大人も同様の実践をします。

まぁ、言ってみればこれだけ。決めて、消す。

この実践は、自分の気持ちや生活を自分でコントロールすることの、良い練習になります。

そして、「この番組は観ていい」と決めた時間は、大人は心置きなく家事に集中すればいいのです。

ホントはいけないのかも、と後ろめたく思いながら観せるより、ずっとすっきりします。

 

親子の関わりを考える時に、いいか悪いかという二択で考える必要はないと思っています。

大事なのは、物事との向き合い方。

自分が主体的に関われるようになれば、生活の多くを、親子育ちの味方にできます。