【はじめよう親子あそび】絵本の楽しみ方は「読む」だけじゃない

【はじめよう親子遊び】は、0~3歳くらいのお子さんがいるお父さん/お母さん向けに、どうやって親子で遊べばいいの?という疑問や不安にお応えできるように、具体的な「どうやって」をお伝えしていくシリーズです。
初めてはさみを練習する時、初めてクレヨンを使う時・・・など、道具や素材との初めての出会いが、親子ともに楽しいものであったらいいなぁと願って、記事を書いています。
今日のテーマは〈絵本〉

絵本についての情報が世の中に多くあるのは、それだけ多くの人が絵本について、不安や心配を抱いているのかな、と感じます。「正しく向き合わなくちゃいけない」という想いがあるのかもしれませんね。
もしかしたら、「本」に対する、ちょっとした敬意のようなものもあるかもしれません。だから、絵本ちゃんと読んであげなくちゃ、と身構える気持ちや、正しく読んであげられているかな、って不安に思う気持ちがあるとしたら、それだけ、絵本のことを大事に思っているってことだと思います。悪いことじゃないんですよ。

だからこそ、あえて「絵本の遊び方は何だっていいんですよ」とお伝えしています。

絵本の楽しみ方 その① 大人が勝手に楽しむ

絵本は、長く読み継がれることが多いです。お母さん/お父さんが子どもの頃に読んだ絵本の中には、まだまだ本屋さんに並んでいるものも沢山あります。絵本のコーナーに行くと、「あー!懐かしい!これ小さい時、好きだった―!」って思える絵本が、1冊や2冊くらいは見つかるかもしれません。
子どもの頃に好きだった絵本、ぜひ改めて読んでみてください。

絵本は長く読み継がれていることが多い、とはいえ、毎月のように新しい絵本も発行されています。その中で、何十年も出版され続けている絵本は、多くの人に愛され、選ばれ続けてきた絵本です。そうやって生き残った絵本は、絵にこだわりがあり、日本語が美しく、読み応えがあるのです。子どもの頃とは視点が異なる今読んでみると、また違う発見があるかもしれません。

なので、まずは大人が絵本を読みなおし、楽しんだらいいのです。もし気が向いたら、お子さんのそばで、声に出して読んでもいいですね。日本語が美しいので、きっと耳にも心地よいと思います。無理に絵を見せなくていいですよ。あくまで、大人が楽しむ時間ですからね。

絵本の楽しみ方 その② 語り掛けのネタにする

絵本はいつから始めたらいいでしょうか、とご質問頂くことがあるのですが、大人が始めたくなったらで良いのです。まだ小さくて、分からないかもしれない、ってことは、あまり気にせず、小さな赤ちゃんとの暮らしの中で、関わり方の手段がなくなってきたら、絵本の助けを借りたら良いと思います。赤ちゃんと大人をつなぐ手伝いをしてくれるものは、色々あると思いますが、その中でも、心強いものが絵本です。(なぜ心強いか? 1つ1つの絵本の持っている要素が多いので、好みの違う赤ちゃんにとっても、どれか1つくらいは自分の好みが見つかりそうだからです。)

お膝に座ってきちんと読む、という形にこだわる必要もありません。モノとして、どうぞ、って渡してみて、表紙の絵を見ながら「あー、かぼちゃだねー。かぼちゃは、あまくておいしいんだよねー。皮は、緑色だけど、食べるところは、だいだい色をしていて、あまくて、おいしいよー。いつ食べられるかなー。もう少し暑くなったら、ごはんもはじめようかねぇ。」などと、おしゃべりするだけでもいいのです。表紙の絵だけで、充分に語り掛けの材料になります。

絵本スタートについては、こちらで詳しくご案内しています。
絵本の読み聞かせどうしたらいい? スタート編

絵本の楽しみ方 その③ 好きなページを見つける

モノとしての絵本に充分に親しんだら、きっとページをめくってみたくなりますね。いよいよ、読んでみましょうか。とはいえ、最初のうちは、最初から最後まで大人のペース通りに聞くかどうかは分かりません。どんどんページをめくったり、ちょっとかじってみたりと、お子さんなりの楽しみ方をするかもしれません。あまり気にせず、見守っていていいですよ。(みんな通る道です。)

ただ見守っているだけだと、「こうやって読むのよ」って教えたくなってしまいがちなので、見守る視点があるといいですね。例えば、お気に入りのページがあるかどうか、観察してみる。いつもびゅんびゅんページをめくるのに、どれか1ページ、気に入ってずっと見ている絵があるとか。おうちの中にページに登場するイラストと似たものがあるとか。

1冊全部読み切らなくても、好きな絵が見つければいいんです。お子さんの好きな絵を、ただ一緒に眺めるって、とても素敵な絵本の楽しみ方です。

絵本の楽しみ方 その④ 絵本に出てきたもののリアル体験

これはとても簡単。絵本にいちごが出てきたら、いちごを食べる。バスが出てきたら、バスに乗って出かける。パンが出てきたら一緒にパン屋さんに行く。いないいないばぁが出てきたら、リアルにいないいないばぁをして遊ぶ。

絵本に出てきたあれ、を、遊びのお手本として、実際に試してみるのです。絵本と現実が結びつく遊びは、年齢を問わず、絵本から世界が大きく広がって、ワクワクする遊びです。

まとめ

さて、「はじめての絵本の楽しみ方」をお伝えしてきました。
お膝の上にきちんと座って、最初から最後まで静かに聴いているだけが、絵本の楽しみ方ではありません。絵本の中から「好き」を一杯見つけて、気軽に絵本を楽しんで欲しいなぁと思います。
何より、そんな風に気軽に絵本と出会った、その先に、絵本を読むことの楽しさや、絵本の物語の世界に没頭する楽しさがあります。

絵本とともに、すてきな時間を過ごせますように。


絵本の読み方と選び方については、こちらの記事でも年齢別にまとめています。