連休遊びの準備をしよう:②『はらぺこあおむし』の方法で作品づくり

連休に向けて、「あえて手間のかかる遊びを紹介する」企画。その2。
今日は『はらぺこあおむし』で有名な、エリックカールさんの作画手法を真似して、作品づくりを楽しもう、という遊びの紹介です。



エリックカールさんの作画手法については、随分前にテレビ(たぶんNHK)でドキュメンタリーもやっていたし、原画展などで紹介もされているので、知っている方も多いかもしれません。(娘は図工の授業でやった、と話していました。)

まず、「色の紙」を作るところから始めます。紙一杯に、絵の具で自由に色を塗ります。単色じゃなくて、混ぜてもいい。ちょっと模様があってもいい。でも、何か具体的な形の絵ではなくて、あくまで、色を作ります。何枚も。何枚も。

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これが本当に楽しい作業なのです。何か絵を描こうとするのではなく、色だけに集中すると、「絵の具ってこんなに異なる表現ができたんだー!」ってびっくりします。色々な色の組み合わせ、水の量の変化、筆づかいの変化を試してみたくなります。

エリックカールさんは、模造紙くらいの大きさで「色の紙」を作ったのですが、親子で遊ぶ時は、紙は小さいほうがおすすめです。1枚あっと言う間に塗れてしまった、もっと塗りたい、というくらいがちょうどいい。そして、ちょっと手間なのですが、全部を「正方形」に切っておくといいですね。

ところで、絵の具を使う時には、まず、作業エリアは、床も机も、新聞紙を厚めに敷いておきます。床で描くのもありです。パレットの代わりに紙皿、水入れは紙コップを使い、使い終わったら、そのまま処分します。ぞうきんとウェットティッシュを用意しておきます。
また、筆をこまめに洗うと、水がすぐに汚れて、何度も水替えが必要になり、目を離すタイミングができてしまうのが、地味に難点ですよね。この遊びの場合は、筆はそんなに丁寧に洗わなくとも、別の色に変えたいタイミングで、筆に水を多めにふくませ、「筆についた色を全部塗ってしまう1枚」として塗り、あとは、ティッシュで筆の水分を拭きとれば、かなりきれいになります。

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「筆についた絵の具を拭きとった色」。作ろうと思って出せる色じゃない。すごくきれい。

ここまでが1日目。

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さて、2日目。絵の具も乾いたところで、続きの楽しみを始めます。
色の紙を色ごとに並べてみました。何色とも言えない色もありますが、それもいいですね。
こんな風に色ごとにまとめるだけでも、遊べます。色に名前を付けたりね。「ルバーブ色」「晴れの日に木を下からみた時の色」「あらしの海」「ブランコで目をつぶった時の色」とかとか。「この名前の色はどれでしょう」ってあてっこして遊ぶこともできますね。

さて、しばらく色で遊んだら、これを材料に作品を作ります。ちょきちょきと好きな形に切って、並べるのです。
もっとも、「これは、いい感じに塗れたから、切るのはもったいない。とっておきたい!」という色もあるかもしれません。そんな時は、それだけで作品として大事にしてください。正方形に切っているので、それ1枚で額とかに入れても、また、2~3枚並べて白い紙に貼っても、すてきな感じのインテリアになりますよ。

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正方形に切っておいたことが、ここで生きてきます。台紙を黒にしてもいいですね。

ちょきちょき切って並べると、こんな感じに遊べます。

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「はらぺこあおむし」そのものでは、失礼すぎるかしら、と思ったので、いもむしくんを作ってみました。

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女の子(左上)が、おにぎり(右下)を取りに行きたいんだけれど、ライオンが怖くて行けないところ、なのだそうです。そんな風に、すぐに物語が思い浮かぶのって、いいなぁ。

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大人は、ただの規則的な模様を作っても楽しいです。どんな色や模様を組み合わせようかと、気づいたら夢中になります。

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ぞうさんは、なかなか可愛くできたと思ったのですが、娘には「そのものの形に切るんじゃなくて、マルとか四角を組み合わせて、何かの形にするのが面白いのに」と不評でした。いいやん、それぞれに好きな方法で楽しんでるんだからさ。

台紙に貼って、作品としては完成ですが、あえて貼らずに、色々並べ替えて遊ぶのもいいかもしれません。

とかとか。可能性がどんどん広がる作品づくり。絵の具も使うし、2日がかりなので、普段遊ぶにはちょっとハードルが高いですが、連休で時間を持て余しそうだったら、ちょうどチャンスかも。せっかくなので、たっぷり時間をかけて遊んでみてください。