私の好きな世界のMuseum:15レッドパス博物館(モントリオール)

そのミュージアムは、緑あふれるキャンパスの中にある、白亜の建物だった。絵本のように美しくて、異世界に迷い込んだようだった。

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カナダ、モントリオールにあるマギル大学は、カナダ最古の大学。そのマギル大学内にあるのが、レッドパス博物館で、カナダ最古の博物館と言われている。設立は1882年。

アルバートサウルスの骨格や、エジプトのミイラなどが有名だが、何が展示されているか、というよりも余白の美しさが印象的だった。

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ホールの中央に置かれたアルバートサウルス。おかしな言い方かもしれないけれど、ちょうどいい大きさ。ここに居るべくして居る、という感じがする。

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館内の上の方を飛んでいる何か。何かを見ようと見上げると、天井の装飾が目に入る。展示物だけではなく、この建物の魅力も感じているんだなぁ、と気づく。

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「角」の立派なところを写真に収めようとしたら、2階の回廊に展示されていた日本の甲冑と仏像も一緒に写りこんでいた。科学的なものも、文化的なものも、すべてが1つの場に展示されているのだけれど、それにちっとも違和感がない。

館内には、多ジャンルの「珍しいもの」が、隣り合って並んでいる。規模の大きいミュージアム、例えば、恐竜の標本を古代の世界観を作りこんだ部屋に展示しているような所に比べれば、博物館としては規模が小さくて、色々なものが同居しているよね、という状況なのかもしれない。でも、不思議と、混在している、というような気持ちにはならなかった。どの収蔵物も、しっくり納まっていると感じた。

それを「余白の美しさ」と感じたのだと思う。生きているような動物の剥製とか、古代のような世界観の中の恐竜ではなく、「世界の珍しいもの=博物」を、博物として、1点ずつそこに置き、1点ずつ味わえる空間。ある意味、大人の楽しみ方なのかもしれない、と思ったけれど、案外子どもたちもその味わい方を楽しんでいたらしく、明日もここに来たいね、と話していた。

演出に凝るだけではなく、展示物の持つ魅力を信頼して、それが引き立つように置く、というのも、また1つの見せ方なのだなぁ、と気づいた場所だった。

■訪問データ

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Redpath Museum
-所在地:カナダ(モントリオール)
-訪問日:2014年7月21日


■動物の剥製と出会ったMuseum

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