私の好きな世界のMuseum:16ボストンサイエンスミュージアム

ボストンのサイエンスミュージアムには2度訪れた。1度目は兄妹2人で。2度目は、息子の友達と一緒に。息子と友達は共に恐竜や動物が好きな仲良しで、彼らにとっては、好きなものを、好きな相棒と一緒に楽しめる、うってつけの場所だったに違いない。

サイエンスミュージアムは、体験を大事にしているところが多いけれど、その中でも、ここボストン サイエンスミュージアムは、体験が本質的だなぁ、という印象が強い。体験、と言いながらも、子どもたちがただボタンを押すだけだったり、モニターのクイズに答えるだけだったりするような施設も多いけれど、ここの体験は、展示の意味や目的に適うことを大切にしているように思える。

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ソーラーエネルギーの展示。家の屋根にソーラーパネルを設置するのに、A/B/C/Dどの場所がいいのか。午前・昼・午後のそれぞれの光の向きで検証しようと促す。

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最近は、デジタルで、ぱっと一目で違いを見せる展示が多いけれど、ここでは、手元の測定器を見ながら、手書きで表を完成させるのだ。いいなぁ。デジタルのものと違って、A,B,C,D、どれが最適かは示されない。だからこそ、4つのデータがそれぞれ違うことや、午前中に発電量が高い場所は午後には発電量が下がり、どこに設置すればいいのか判断することは難しいね、なんてことを、リアルに感じられる気がする。

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恐竜エリアに展示された恐竜は、実物の何分のいくつかのサイズということもある。じゃあ、何分の1、ってどういうこと?というのを、自分の手で確かめるボード。大好きな恐竜を並べて学べるならば、喜んで学ぶ。

何種類かの生き物の顔の骨格がある。モニター上に、骨格の特徴を問う質問が現れ、Yes/Noで答えていくと、●●の動物の仲間だね、ということが分かる。たぶん、専門家もこうやって判断するのだろう。骨格から何が調べられるのか、ということや、動物の特徴を見る時の着目点が、実感として分かる。子どもの理解力を信頼しているアクティビティだなぁ、と思う。

館内には公園のような遊具で遊べるエリアもあるのだけれど、そこでも、ブランコやシーソー1つ1つに、物理的な根拠が示されたボードが立っていたりする。館内のあちこちで、インタラクティブなワークショップや、実験コーナーがある。たっぷり遊べる、しかも、本質的に遊べる。

「体験型のミュージアム」と言っても、その「体験」の中身は実はミュージアムによって異なる。子どもが単に何かのアクションができるだけで「体験」と呼ぶのではなく、その内容や、体験を通して気づいてもらいたい学びがどこにあるのか、意識して場を造ることって大事だなあと思う。

■訪問データ

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Museum of Science,Boston
-所在地:アメリカ合衆国(ボストン)
-訪問日:2014年4月9日・2015年8月8日


■その他のサイエンスミュージアム(科学館)

モントリオールサイエンスセンター(カナダ・モントリオール)