こどもたちが夢中になれるコンテンツの開発をずっと続けてきました。
コンテンツの内容や、提供する場面を変えながらも、ずっと大切にしてきた思いは変わりません。
それは、こどもたちが「大好き」を見つけるきっかけを作ること。
そのために、こどものためのプログラムには、私なりのこだわりがあります。
そのこだわりを、順にお伝えしていこうと思います。
- こどもだからこそ本物を
- 映像は双方向じゃない
- 想いを持って創り、想いを捨てて運営する
- ストーリーがやる気を引き出す
ずっと、アナログであることにこだわってきました。
ITネイティブと言われる世代のこどもたちは、IT機器を、いといもたやすく使いこなします。
2歳や3歳のこどもでも、画面をタッチして自分の好きな写真を観ることを知っているくらいです。
だからこそ、ずっとアナログにこだわってきました。
IT機器は道具ですし、本当に便利な道具ですから、
本当に自分がやりたいことのために使う必要があれば、その時にすぐに覚えることができます。
だから、こどもの頃こそ、五感で感じること、身体で経験すること。
電子を通した音や色ではなく、リアルな音や色、手触りやにおいを味わうことを
意識して大事にしたいと思っているのです。
インタラクティブ、という言葉も、目新しくなくなりました。
人と人とのやりとりが双方向なのは、ある意味当たり前なので
わざわざ言う必要もありません。
あえて、「インタラクティブ(双方向)です」と言わなきゃいけないのは
人と機械など、もともとは、双方向ではなかったものを説明するからです。
でも、こどもに対しては、人と機械との「双方向」なんて幻想は
持たない方がいいと、考えています。
「双方向」なんて、ないのです。
電子系のこどものおもちゃを、どんなに「インタラクティブ」だと謳ったところで
決まった刺激に対する決まった反応があるだけだと、そう考えています。
こどもに対して、同じ説明を繰り返すだけならば
ビデオを見ても一緒ではないか、と言われたことも何度もあります。
でも、一緒ではありませんでした。
テレビやビデオは、光があり、音があり、絵が動くので、こどもたちは画面から目が離せなくなります。
でも、そこで語られているメッセージが、自分に向けられているという理解はなく、
言葉は、こどもを素通りしていきます。
どんなに技術が上がっても、映像は双方向じゃない。
こどものうちにこそ、人と人との、人とものとの、
本当の生身の、双方向な関わりを持ったプログラムを大事にしたいと考えています。