アメリカの先生は日本の小学校を見学して「おなじだね」と言った

言語教育

ボストンでお世話になった小学校の先生が来日されました。

小学校の日本人父母のボランティアグループによる取組で、

毎年1名の先生に、日本を訪れて頂く、というプログラムを実施しています。

日本人を多く受け入れて頂き、日本人の先生もいらっしゃる学校に対しての感謝と共に、

毎年の実施を機に日本のことをより深く知って頂きたいという想いもあり

長年続いているプログラムだそうです。

 

アテンドのお手伝いをしました。

午前中は、区立小学校の視察。午後は、上野にある国際こども図書館をご案内。

 

午前中は、ボストン時代に親しくしていたご家族が中心になって進めてくださり

そのご家族の息子さんが通う小学校を見学しました。

先生の専門が「低学年の読み書き」のため、国語の授業を3時限、見て頂きました。

 


 

現地では、先生方の専門が細分化されていると感じていました。

今回来日した先生のような、教科専門の先生もいれば

Class Teacherと呼ばれる担任の先生もいますが

このClass Teacherも、「1年生の専門家」とか「3年生の先生を10年間」とか

どうやら、学年ごとの専門性を持っているようなのです。(専門が変わる場合もあります。)

 

学年ごとの特性に応じた教育ができるという利点もあり。

個々の生徒の成長に、長いスパンで関わることができないという課題もあり。

それは、誰もが1~6年生まで、全ての担任を受け持つ可能性のある日本の先生には

逆のことが言えるのだろうと思います。どんなやり方にも両面があるのです。

 

また、息子がボストンの小学校に通っていて

日本の学校は、各学年の学習課題に到達していることが重視されるのに比して

ボストンでは、意欲が姿勢が重視されるとも感じていました。

ですから、日米の先生の意識には、きっと色々な相違があるのだろうと、

来日された先生が、どう感じられるのか、ちょっと楽しみな部分もありました。


 

だから、今日の先生の話で、最も印象的だったことは

「日本の学校と、私たちと、似ているところが沢山ある」という言葉でした。

今日先生に見て頂いた授業の1つに、1年生の「助詞」の授業がありました。

日本語が分からない先生にとっては、

「言葉をつなげる」というくらいの認識だったようですが

それでも、「教師が言葉を教えようとする手順は、あまり違いはなく

私は日本語が分からないけれど、先生が何を質問しているのか分かった」と言うのです。

 

きっと、その通りなのだと思います。

 

日本とアメリカの教育は、色々違うと思っていました。

ともすれば、海外の教育のスタイルに比べて

日本のものは、遅れているとか画一的すぎるとか

日本人自身からの批判が出ることも多いです。

 

 

でも、どんなことにも両面があります。

他の国の事例を知ることは、自分たちを批判するためではなく

自分たちのものを、客観的に見たり

良くしていくヒントを得たりするためだと思いたい、そう思うのです。

 

先生は、日本の授業の中から、いいところを沢山見つけてくださったようです。

自分の授業のヒントになる、と言ってくださったものもありました。

 

それぞれの良いところが、活かされていくような

そんな海外への視点を持てたらいいなぁ、と思うのでした。