女子美大にて「キャリア」を話す

坂の上の雲

女子美術大学にて、学生さんに「キャリア」についてお話をさせて頂きました。

神奈川県が支援している「ライフキャリア」教育の一環として

県下の多数の大学でワークショップを開催しているそうです。

その中の一校にお声掛け頂いた、という形です。

この取組は、「ライフキャリア」つまり、職業だけではなく

自身の学びや、築きたい家庭の形、家族としての自分の役割も含めた

人生すべてを合わせた「将来」を思い描く場、と私は理解しています。

 

 

玩具メーカー時代、企画書の絵がどうしてもどうしても描けなくって

苦しんだ結果出した絵は先輩がぷっと吹き出すほど・・・という画力のない私が、

どうして美大に?!と最初は意外に思いました。

でも「玩具メーカーでの企画開発」「キッザニア東京の企画」という経歴は

クリエイティブ分野を目指す学生さんたちには訴求力が高いと聞き、

なるほど・・・と。

 

でも、この日私が一番時間を割いて話した「経験談」は

「入社して1年目に総務部に配属された話」。

こどもにつながりたいと思って入社したのに、配属は総務部。

郵便物の仕分けや事務用品の手配の毎日に、

正直言えば、最初はこんなはずではなかった、と思いました。

でも、そこから思い直して実践した2つのこと。

「自分の仕事を精一杯やりきる」

「会社全体の業務に興味を持ち、機会があれば関わりを持つ」

とりわけ、1つ目について、力をいれてお話しました。

 

 

結果的に私は1年で企画開発の部署に異動になりましたが

「だから」良かった、という訳ではないと、お伝えしました。

あのまま総務部で働いていたら、もしかしたら、総務部でこそ発揮できる

何か自分の強みや、成し遂げたい業務を見つけたかもしれない。

それもまた素晴らしいことだと思うのです。

 

私自身は、何のために仕事をしたいのか、という想いを形にできる場に出会い

そこで働くことができたことが、本当に幸せでした。

でもそれは、総務部で与えられた仕事に文句ばかり言っていては

どこへ行っても満たされなかっただろうと、今では思います。

 

 

このワークショップは、学生さん自身に

これから先、どんなキャリアを描いているだろうかと

自分の将来をイメージしてもらう、というところがメインです。

たぶん、この日イメージした将来の通りに、

これから先の人生を歩むことは、滅多にないだろうと思います。

でも、まだこれからを自由に描ける学生時代のうちに

自分はこれから先、何に価値を置いて人生の1つ1つを選択するだろうかと

その価値観を見つめる時間を持つことは、将来に向けて大きな意味を持つと思います。

 

1人1人が、自分の大切にすることを実現できる方法に、いつか出会えることを、

心から祈っています。