親子で楽しむおすすめ絵本|1歳編

おすすめ絵本を紹介する時に年齢で分けるのは、意味があるようでもあり、ないようでもあります。子どもに絵本を選ぶ時の1つの目安として、助けになりますが、同時に、あまり対象年齢に縛られなくてもいいよ、とも思います。

いい絵本は、何度も何度も味わいつくすことのできる深さを持っているので、年齢を追うごとに違う楽しみ方ができます。だから、今回紹介する絵本は、1歳くらいの人が楽しんでくれるかな、と思って選んでいますが、もちろん、もっと年齢が上がれば違う魅力を感じると思います。
なので、4~5歳のこどもが、ここで紹介するようなシンプルな絵本を手に取った時に「それは赤ちゃん向けだから、あなたが読むのはおかしい」と言わないでほしいな、と思います。親としては、成長している姿を見たいし、日々前へ前へと成長してくのが良いこと、と無意識に思っているので、つい指摘してしまうかもしれません。
でも、年齢が上がってからシンプルな絵本を手に取るのだって、いいじゃないですか。ちょっと懐かしいだけかもしれないし、赤ちゃんの時とは違う楽しみ方をしているのかもしれないし、覚えたてのひらがなを試すにはちょうどいいのかもしれない。
なので、それぞれの年齢の人が、それぞれに楽しめたらいいな、と思います。もちろん大人も!

さてさて、前置きが長くなりました。
少し世界が拡がった1歳くらい向けの絵本、ご紹介していきます。

1.言葉を楽しむ

0歳向けの絵本では、言葉の音として、リズムとして楽しめる音を楽しみました。ここでは、意味を持った「言葉」を楽しめる絵本を紹介したいと思います。

ここで力を発揮するのが「擬音語」「擬態語」。わんわん・ぶーぶー・ふわふわ・くるくる・・・という、音や状況を表す言葉です。言葉を覚えていく途中のこどもでも、状況が理解しやすく、具体的にイメージできますよね。すてきな絵本に使われている擬音語/擬態語は、一度読んだら「これしかない!」という気がします。


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『わにわにのおふろ』子風さち:文 山口マオ:絵 福音館書店
「わにわに」のユーモラスさ最高です。カランをひねって音を出す音は、もうこれしかないよね、というくらいぴったりで、湯気とともに聞こえてきそうな臨場感があります


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『くりんくりん ごーごー』佐々木マキ:作 福音館書店
乗り物が好きだったら、きっとわくわくして、何度でも読みたくなりそうです。擬音が加わるだけで、音だけでなく、その状況まで感じられるから不思議。


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『どんどこどん』和歌山静子:作 福音館書店
音も、絵のタッチも、力強くて生命力にあふれています。シンプルな音もいいのですが、絵もとてもいいのです。葉っぱの形にそれぞれの野菜の特徴がちゃんと出ていて、その違いを観ているだけでも楽しくなってきます。

2.生活にあるものを楽しむ

こどもたちにとっては、自分の身の周りにある「生活」のシーンや、そこで出会うもの1つ1つが、自分の世界を構成しているかけがえのないものなんだなぁ、と感じます。身近なものが淡々と登場する絵本を観ているこどもたちは、自分の知っているものが登場すると、嬉しそうに指をさし、カタコトで「ブーブ!」などと知らせてくれます。
何か特別なことがなくても、身近な生活こそが、子どもにとって一番の楽しみなのかもしれませんね。


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『ぶーぶーじどうしゃ』山本忠敬:作 福音館書店
丁寧なスケッチで描かれた車は、子どもが「あ、しってる、みたことある」って思えるように、細かなところまで本物そっくり。そして、こどもが自分の視点で観られるちょっとした工夫も、とても楽しい。



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『やさい』平山和子:作 福音館書店
数ある野菜の絵本の中でも、私がこれをおすすめするのは「畑で育った・・・」というところです。野菜たちは、しゃべったり顔がついたりはしていないけれど、どのお野菜も誇りに満ちて堂々としているように見えます。



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『こんなにたべるよ こぶたちゃん』きたやまようこ:作 偕成社
6冊のシリーズのうちの
1冊。それはそれはおいしそうに食べるのです。こぶたちゃんファミリーが食べる量のスケールが違いすぎるので、逆に自分と比べなくていいところも安心します。「太って元気」というフレーズが、私にはとても印象的で、小さい子どもにとって、太ることは成長であり、喜ばしいことだよね、という当たり前のことを思い出し、はっとしました。

3.ぜひ出会いたい定番絵本

0歳/1歳のうちの絵本は、まだ文章も少ないので、気に入った絵本を何度も読むうちに、読み手の大人たちは、きっと文章を覚えてしまうことでしょう。そのフレーズは、きっと、親としての自分たちの宝物になりますよ。



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『ねずみさんのながいパン』多田ヒロシ:作 こぐま社
動物に興味があれば、1軒ずつのおうちのカタチにわくわくして、「あっ、うさぎさんのおうち!!」などと教えてくれます。食べることが好きだったら、1つ1つのお料理を楽しみに待っていて、手を伸ばして、本の上のごちそうを食べようとします。興味に合わせた遊びところが用意されている本です。



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『みてる』岩合光昭:写真 岩合日出子:文 福音館書店
絵の写真だけではなく、写真も味わえるようになったら、おすすめの本です。動物写真家の第一人者である岩合さんの写真絵本シリーズの1冊。写真に添えられた言葉は、シンプルで力強く、余計な飾り気が一切なく、写真の持つ雄弁さをじゃましていません。だからこそ、こどもは写真とじっくりじっくり向かい合います。生きることの尊さが伝わります。

いかがでしたか?お気に入りの本が見つかったら嬉しいです。