私の好きな世界のMuseum:2 プリーズタッチミュージアム

私が初めて出会ったアメリカの子ども向けMuseumは、ここプリーズタッチミュージアムだった。
6歳と2歳の2人の子どもの手を引いて、本当に到着するのか、そして、ちゃんと市街地に帰ってこれるだろうかと不安になりながらバスに乗る。そして到着したこの場所は、バスが別世界へと迷い込んだんじゃないかと思うくらい、全く特別な空間だった。
1歩中に入っただけで、不安になりながらも来た甲斐があったと思ったし、それは中に進むにつれて確信になった。2人の子どもたちよりも、私が一番興奮していたと思う。

ここは、主に7歳以下の子どもを対象とした場所で、遊びを通して学ぶ力を発見することが目的。楽しい遊び場であることには変わりはないけれど、そこに学びがあるという考え方は忘れていない。

特に、ロールプレイ(ごっこあそび)のエリアが充実していたことが印象的だった。ショベルカーを操作する横では、ガレージで車のボンネットを開けて修理をし、タイヤの交換を行う。スーパーマーケットの棚には、箱に入ったお菓子や野菜が並び、奥にはパンを焼くための大きなオーブンもある。スーパーを出れば、家のキッチンがあり、買ってきたもので今日のご飯を準備することもできる。
小さな子どもにとっては、1つ1つの動作がそれだけで魅力的な遊びなのだけれど、それが緩やかにつながっていて、社会全体の繋がりの中に、個々の生業があることが、理屈ではなく、感じられる。

妹がカゴ一杯に買い物をすると、兄が店員さんとなってレジ打ちに応じる。その姿を見た別の子どもたちが、自然とレジに並び、兄は初対面の子たちに対しても店員さんとして応じる。「いーれーて」なんてやりとりはなくとも、お互いに世界感と役割意識を共有しているから、自然に人と人との関わりが生まれていた。場のチカラってすごいな。

ごっこ遊び以外にも、不思議の国のアリスの世界感を模したエリア、水あそび、音あそび、創作あそび、そして、2歳までの子ども向けコーナーなど、遊びの種類も充実。

楽しいこと、わくわくすることが、こんなにも盛り沢山な場所を「学びの場」として提供する、その在り方こそが好き。

■訪問データ

Please Touch Museum
-所在地:アメリカ合衆国(フィラデルフィア)
-訪問日:2014年3月29日


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