【季節のおすすめ絵本】2月:あったまろう

この季節だからこそ、味わいたい絵本、というものがあります。
もちろん、子どもたちが、真冬に水遊びの絵本が読みたくなったり、雪だるまの絵本が好きすぎて1年中楽しんだりする姿も、それはそれで微笑ましいので、あんまり厳密に「絵本を使って季節を教えよう!」とは思わないのですが。
もっと緩やかな感覚で、〈今年も、この季節だなぁ〉とか思いながら、手に取りたい絵本があってもいいよね、という想いで、月ごとの絵本をご紹介していこうと思います。

暦の上では春とはいえ、まだまだ寒い毎日が続きますね。2月は〈あったかくなる〉絵本を探してみました。

まず、身体をあたためるものと言えば、お風呂!お風呂絵本はすてきなものが多いのです。全然テイストが違うけれど、どちらも、子どもたちが本当に大好きな2冊をご紹介します。


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おふろでちゃぷちゃぷ松谷みよこ:作 いわさきちひろ:絵 童心社
シンプルで、子どもの日常をそのままに描いた絵本こそが、読み継がれる絵本になるんだなぁということを、しみじみと感じる絵本です。言葉も絵も、子どもの心と姿を的確にとらえていると感じます。言葉のリズムが子どもの心の動きに合っていて、親子で何度も何度も唱えたくなります。赤ちゃんの時から、ずっとずっと味わい続けることができる本です。

お父さんお母さん向けの講座では、「子どもと落ち着いて話ができる場面」の1つとして、お風呂に入っている時間をご紹介しています。身体がリラックスできると、心もリラックスできそうですね。


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わにわにのおふろ小風さち:文 山口マオ:絵 福音館書店
絵も言葉も、わにわにの魅力を伝えるのに、これ以外にない、と言う過不足のない表現にあふれています。「わにわに」にものすごく共感して、すぐにでもお風呂に入りたくなりそう。

あったかくなるもの、と言えば、冬ならではの小物たちもあります。帽子や手袋など、1つ1つのアイテムに「あったかくなーれ」という想いがこもっているようです。


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いろいろぼうし谷川 晃一:作 福音館書店
毛糸の帽子もあったかそうですが、何よりも絵があったかいのです。1人1人(1匹1匹?)に、ぴったりの帽子。何色が好きかな、とか、●●ちゃんの帽子と一緒だね、とお話しながら楽しめそうです。

そして、手袋と言えば欠かせない定番の絵本。


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てぶくろエウゲーニー ・M・ラチョフ:絵  うちだ りさこ:訳 福音館書店
子どもたちの大好きな繰り返しが存分に味わえる絵本。小さな動物から大きな動物へ。気が付いたら手袋も、どんどん山小屋のような立派な感じになってきて…。想像の世界がどこまでも広がることを実感する絵本です。登場する動物たちを説明する言葉が楽しく(これは翻訳した方の日本語選びの巧みさもあるんだと思います)、それぞれの動物の装いもホントにおしゃれです。細かなところまで、こだわりがつまっているのです。

おじいさんの手袋は、無事に戻ってきましたけれど、手袋って、なぜか片っぽだけなくしてしまうことが多いですよね。昔は、子ども用に、2つがつながった手袋もありました。そんな経験のある人なら、分かる分かる、と共感できそう。


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てぶくろがいっぱい文:フローレンス・スロボドキン 絵:ルイス・スロボドキン 訳:三原泉 偕成社
手袋が片っぽなくなったら、きっと困るでしょうね。見つけたら届けてあげよう、という小さな思いやりが集まって・・・。いい話、ではなく、ユーモアよりの味付けが、小気味よい絵本です。

もっと大きく身体を暖めてくれる「ブランケット」のお話もあります。


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おじいさんならできるフィービ・ギルマン: 作  芦田 ルリ:訳 福音館書店
ヨゼフが赤ちゃんの時、おじいさんが作ってくれたブランケット。ヨゼフの成長とともに、このブランケットが、どんどん形を変えて、そして、ずっとヨゼフを暖め続けてくれるお話。・・・とはいえ、それは、このお話のほんの一面に過ぎず、絵を読めば、そこには同時並行で、いくつもの違う物語が進んでいるんです。「おじいさんなら、きっと何とかしてくれる」というヨゼフのセリフが心に残ります。こんな風に、子どもに信頼される大人でありたい。

いかがでしたか。あったかい部屋で、親子でお気に入りの絵本を読みながら、心も身体もあったまってくださいね。