子どもたちが自由に過ごす姿を見ていると、1つのことにのめり込んで楽しむことが好きな人もいれば、多くのことに興味を持つ人もいるなぁ、と気づきます。
もちろん、集中型か、好奇心旺盛型か、という2パターンに分類するつもりはなく、その2つが対象的なので目に付きやすいよね、と言うだけの話なのですが。
目に付きやすい、ということは、心配のタネになりやすい、ということでもあるのですよね。集中型の人は「もっと他のことにも興味を持ったらどう?」と言われ、好奇心旺盛型の人は「もっと落ち着いて集中したら?」と言われることも多いんじゃないかなぁ、と思います。どちらも、その人らしさなのに、ね。
昨日は、集中型の人の遊びについて記事を書きましたので、今日は、好奇心旺盛型の人の遊びについて、お伝えします。
昨日も書きましたが、集中するのも、色々なことに興味を持つのも、その人の物事への向き合い方なので、いいとか悪いとかではなく、まさに「その人らしさ」だと考えています。
ただ、遊びに関しては、少し時間をかけたり、繰り返し試したりすることで、違う楽しみ方に出合えることが多々あります。そういう楽しみ方にも出会ったら、きっと今までとは違う喜びがあるんじゃないかなぁ、とは思うのです。
ブロックは説明書通りに作って終わりではなく、そこから、作り替えたり、別のものと組み合わせたりすると、違う遊び方ができるとか。
あやとりは、「川」と「ほうき」から、もう1段階難しいものが作れるようになると、急にできる作品が増えて楽しくなるとか。
紙飛行機は、普通の折り方だけじゃなくて、折り方や羽の形を工夫して、もっと違う飛び方を試してみると毎回違う結果になって奥が深いとか。
そういう楽しみ方に出合うには、少し時間が必要な場合もあります。
とはいえ、色々なことにどんどん興味を持つ人に、「コレしかやっちゃだめ!」と言っても、きっとそわそわするばかりで、楽しくありません。
遊び、って、1つのやり方を強制するものではないですからね。
そこで、面白いものを、どんどん見つけてくる人には、最初に何か大きなテーマを決めて、興味を持った色々なものを、そのテーマのために使う、という遊びに誘ってみてはどうかな、と思うのです。
「テーマ」というのは、興味を持ったものを受け止めてくれるフレームみたいなもの。例えば、「粘土の型押し」。これは、身近なものを粘土にぎゅっと押し付けてみて、出てくる模様を楽しむ遊びです。
家中にある面白いものを見つけてきて「あれはどうなるかな?」「これを使ったらどうなるかな?」と試してみると楽しそうです。
(写真は左から、ペットボトルのキャップ・ひも・フォーク・クリップ・割りばし・貝)
「こすり出し」もいいですね。薄い紙の下に敷いて、クレヨンや色鉛筆でこすって模様を作ります。
絶対いいぞ、と思ったものが、全然模様が出なかったり、逆に期待していなかったものが面白い模様になったり。予想通りにいかないところもいいですね。
他にも、「ペットボトルの中に細かいものを入れて楽器を作る時に、中に入れるもの」とか、「手作りの万華鏡の中に何を入れたらキレイに見えるかな」とか。「親子でクイズを出し合って、答えになるものを家の中から探してもってくる遊び」とか。
色々なものに興味を持つからこそ楽しめる遊びが、きっとあると思うのです。
繰り返しになりますが、集中力を持って遊ぶことが正解で、あちこちと興味が飛ぶ遊び方は望ましくない、とは、これっぽちも思っていません。ただ、色々なことに興味を抱く人が、その人らしさを生かして楽しめる遊びもあるよ、とご紹介したかったのです。
ですから、今日紹介した遊びは「好奇心旺盛な人が、1つのことに集中することをトレーニングするための遊び」ではありません。
遊びには、そういう目的や下心を背負わせずに、純粋に、わくわくを感じてもらいたいのです。そして、こんな風にしたら、そのわくわくが、もっと膨らむよ、というアイディアを、面白がって受け取って頂けたら、とても嬉しいです。
自分の楽しみ方のタイプ、お子さんの楽しみ方のタイプに合うような遊び方で、楽しい時間を過ごしてくださいね!