キャラクターのおもちゃを、自分のこどもたちにあまり買わずに過ごしてきました。
良し悪しというよりも、私の好みです。
おもちゃの業界では、
「キャラクターの人気が高くてどのキャラクターで商品展開するのかが重要な時期」と
「キャラクターがない方が評判が良く商品を買って頂きやすい時期」とが
交互に訪れるような印象を持っています。
私がおもちゃの会社にいた頃は、キャラクター全盛、でした。
年末に、クリスマス商戦の販売応援で売り場にいると
「○○(人気キャラクター)の▲▲(イチオシ商品)はありますか?」という質問を良く受けます。
毎年のクリスマスに向けたイチオシ商品は、宣伝にも力を入れていて、
多くのこどもたちや、パパサンタ・ママサンタたちがそれを目当てにやってくるのです。
ただ残念ながら、生産が充分間に合わず品切れになるケースが多く
自社の商品でも、そうでなくても、「すみません。売り切れなんです」とアタマをさげます。
すると
「○○(人気キャラクター)のものなら何でもいいので、何かありますか?」と次の質問。
この2つ目の質問が、好きではありませんでした。
キャラクターそのものが好き、というのは、良く分かります。
そのキャラクターらしいメイン商品や、そのキャラクターの世界観に合わせたおもちゃは、
企画開発する側も、きっと力を入れて考えてきたに違いありません。
でも「このキャラクターなら何でもいい」という商品は、
本当に「このキャラクターでなくてもいい」という商品なんです。
キャラクターの絵が印刷してあれば、満足頂けます。
私は、それは、おもちゃや、遊びに対して
なんとなく失礼なような、気がしたのです。
でも最近、話をしている中で
「どうしてそれがいけないの?」と指摘してくれた人がいました。
「そのキャラクターならば、何でもいいくらい大好きなら、それでいいじゃない。
そこから新しいあそびに出会えるかもしれないし。」
なるほど。そういう考え方もあるかもしれません。
キャラクターの印刷があることが
新しい遊びへの出会いになるかもしれない・・・。
そのためには、
お目当ての●●がなかったから仕方なく、ではなくて
大好きなキャラクターのものだから、一杯遊ぼうね、
という気持ちで、大事にして頂くことがポイントかなぁ。
(どうせ、本当に欲しかったものじゃないし、と思うと
どうしても遊ぶ時の心が乗り気じゃないので
おもちゃや遊びの魅力を、割り引いて感じてしまうと思うので。)
こどものこと、成長のことは、なかなか良いか悪いか、単純に決めつけるのが
難しいものが数多くあります。
だから、短絡的に「これはいい」「これは悪い」と決めつけないで
自分なりに、考えてみることがまずは大事かなぁ、と思います。
そして、考えたら、その判断を信じる。
「私はこう考えたから、この方法でいこう」って。
おもちゃ1つに、印刷があるかないか、そんな小さな話かもしれないけれど、
私にとっては、何を大事に思うのか、という、小さくはない想いでした。