私の好きな世界のMuseum:9プリマスプランテーション

ボストン近郊の観光案内を観た時から、「うわぁ、行きたーい!」と憧れた場所の1つ。アメリカ入植当時(17世紀)の暮らしを再現した場所。

画像2

展示物が並んでいるMuseumではないけれど、公式サイトにも「a living history museum」として紹介されている、れっきとしたMuseum。日本にも建物博物館があるように、こんな風に、昔の建物や暮らしを再現するのもMuseumだよね、と思う。

画像1

施設には、入植者の集落のエリアと、昔からこの土地に住んだ人たちの家があり、それぞれの暮らしをリアルに伝えていた。家の作り方、服装、食べるもの、それぞれに違う営みを持つ人たちの、それぞれの生活があることが、説明はなくとも、生々しく伝わってくる。

画像3

もともとこの土地に住んでいた人たちは、木の皮で作ったドームのような家に住み、家の中には焚火が炊かれていた。

画像4

入植者たちは自分たちの集落を作り、入り口には見張りのための小屋を作った。それぞれの家には鶏や羊などの家畜もいた。木でできた素朴な家を修理している人(17世紀の人)がいて、子どもの頃に読んだ「大草原の小さな家」で、父さんが家を作っていたことを思い出す。

そして、ここが「Living」と言える一番のポイントは、「人」にあるらしい。「6ヶ月もの厳しいトレーニングをパスしたスタッフ」が、そこに生きる人として、「自分たち」の生活や、当時の出来事を来訪者に話してくれる。ガイド役ではなく、本当に「その時代を生きた誰か」として話をしているらしい。それは、「〇年生まれ。〇歳で結婚。ご主人はこんな人。〇年にアメリカに移住。その旅程で、こんな困難があり、アメリカでこんな苦労をして・・・」という「ある特定の誰かの人生」を自分のものとしてに成り切ってるらしい。

歴史は出来事の羅列ではなく、そこに生きる人がいる。事象としては一言で説明できてしまうことの実態には、多くの人の日々の営みの積み重ねがある。
アメリカという国家がどういうアイデンティティの上に成り立っているのかを論じるには、私には知識が足りないけれど、でも自分たちの歴史のスタートを、華々しいだけではなく、人が生きていた実感として伝えようとする想いを持つ人がいるんだなぁ、ということは感じられた。ここを訪れた子どもたちは、自分たちの営みをどんな風に感じるのだろう。

■訪問データ

画像5

Plimoth Plantation
-所在地:アメリカ合衆国(マサチューセッツ州 プリマス)
-訪問日:2014年11月27日