動けば動く。
そう実感したのは、ボストンでの「日本語おはなし会」を実施した時です。
ボストンでの滞在は、1年間と決まっていました。
帰国したら、新しいことを始めようという想いで退職し
1年後には何かをスタートさせなくてはいけないと、
自分で自分を追い込んでいました。
ボストンにいるうちに、何かをやらなくちゃ、という焦りと
何をどうしたらいいのか分からない戸惑いとの狭間にいました。
きっかけは、
ボストンに遊びに来た私の両親に持ってきてもらった、ねずみのパペットでした。
日本にいる時、いつもおはなし会で使っていたものです。
自分のこどもと、日本人の友達数名、10人くらい集まったら、おはなし会がやれるなぁ、と思いました。
でも、場所は?
私の住んでいたアパートに共有のパーティールームがあったら
たぶん、そこで開催していたでしょう。
でも、そうではなかった、そのことが幸いしました。
自宅から徒歩10分の、公立図書館。
階下のホールで、こども向けのプログラムもやっています。
もちろん英語ですが、娘と何度か参加したこともありました。
おぼつかない英語で、どうやったらお部屋が使えるのか聞くと、何のために? という質問。
日本語のおはなし会やりたいんだ、って答えると
それなら、こども担当のスタッフと相談をして
図書館のプログラムの1つとしてやればいい、という答え。
その場で、開催日が決まりました。
何人くらい来るの?10人くらいは集まるかしら?と聞かれ、うーん、たぶん・・・と答えながら
これはタイヘン、図書館公認のプログラムとして、せっかく立派なお部屋を使わせて頂けるのだから
せめて20人くらいにはお越し頂きたい、と思いました。
facebookで投稿して、呼びかけてみた時は、おそるおそるだったのですが、
びっくりする程の反響がありました。
日本人社会の情報のハブとなっていた方が早々にシェアをしてくださったおかげで、
在ボストン日本人サポートを目的とした非営利団体の担当の方や
日本人のこどもたちのプレイグループ、
ボストンで働くママのグループなど
影響のあるグループでも、開催をお知らせ頂きました。
フタを開けてみれば、ボストン近郊に、こんなに日本人親子がいたの?!と
びっくりする程、後から後から、大勢の方が来てくださったのです。
図書館のスタッフが、120人以上はいたね、と後から教えてくれました。
動けば、動く。
自分が小さな1歩を踏み出せば
それだけで、まわりの景色は全く違ってくることを
この時、強く強く実感したのです。