私の好きな世界のMuseum:11旭山動物園

動物園や水族館はMuseumなのか、と細かいことは言わずに、子どもたちが、すてきなものに触れて、新しい世界への興味が広がったり、好きなものをとことん楽しんだり、知らなかったことに出会えたりする場所・・・だと思えば、もう充分にMuseumとして紹介していいんじゃないかと思う。
という訳で、今回は、旭山動物園。

旭山動物園は「行動展示」によって一気に人気が高まった動物園。「行動展示」とは、動物が持っている能力や行動を引き出すような環境を作ることで、動物の本来の動きを鑑賞者に見てもらうことを目的とした展示方法。だから、自然環境さながらに、動物たちが活き活きと動き回る様子を楽しむことができます。

特に小さな子どもたちと一緒に訪れた時は、動物の姿がよく見えたら嬉しいし、動いていたら楽しい。旭山動物園では、ペンギンやアザラシが有名だけれど、高いロープをひょいひょいと飛んで回るサルたちも、とても楽しそうで、ずーっと見ていて飽きなかった。

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また、旭山動物園の大きな魅力は、飼育員さんたちの、手作りのボードだと思う。それぞれの動物の飼育員さんたちが、時に手書きで、あるいは絵の具で色を塗ったり、べニア板を切ったりして作ったんだなぁ、と思える、魅力的な説明ボードが、そこここに設置されているのだ。(写真は水道に描かれたワニさんだけれど、動物たちの展示コーナーには、動物の食べ物、生息地、成長の姿などが分かる様々な展示があった。)
担当の動物のことが大好きで、その大好きな動物のことを、来園者に伝えたい、と本心で考えているからこそ、飼育員さんの個々の姿が伝わるようなボードになるのだな。

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旭山動物園で働いていたあべ弘士さんが、その後絵本作家さんになったのは有名な話だが、今も旭山動物園内では、あべ弘士さんの絵を見ることができる。絵も、添えられた言葉からも、どれも、どれも、動物への暖かい眼差しが感じられる。

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ところで、今、私の手元には、動物園ガイドが2冊ある。1冊は旭山動物園の公式のもので、図鑑のように各動物の情報が丁寧に掲載されていて、読み応えたっぷり。もう1冊は、「旭山動物園くらぶ」というファンのグループが作ったものを、旭山動物園が監修してできたもので、訪れる人目線での実感あふれる魅力がびっしり。
旭山動物園が、地元の人たちに本当に愛されて、今があるんだなぁ、ということが改めて伝わってくる。

ここで働く人たちの動物たちへの想い。地元の人たちの動物園への想い。そういう、それぞれの想いが共にあるからこそ、ここが、子どもたちのために魅力的な場になっているのだろうなぁ。
旭山動物園のウリの1つは、ペンギンの散歩だという。今度は、冬に行ってみよう。

■訪問データ

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旭山動物園
-所在地:北海道旭川市
-訪問日:2013年9月14日・2018年8月15日


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