2泊3日のロンドン滞在では、バッキンガム宮殿も、ビッグベンも、タワーブリッジも見ていない。
ロンドン動物園に行き、自然史博物館に行った。子どもたちが本当に行きたいところ。定番の観光スポットよりも、その方がいいと思った。その時しか見られないものだし、感じられないものだから。
さて。その自然史博物館は、中央ホールにある恐竜ディプロドクスの骨格標本で有名だったが、それも2017年までの話。今その場所にはシロナガスクジラの標本が展示されているらしい。(そう考えると貴重な写真!)
展示の多さと、華やかさは言うまでもない。なんたって、大英帝国。思いつく限りの動物の剥製、大きなクジラの骨格、鉱石の数々。何でもある。
恐竜展示室は、入室前に列ができている特別なエリア。室内は少し暗く、流れに逆らわないように順路を進むスタイルで、ここだけテーマパークのアトラクションみたい。
そんな風に、時間がいくらあっても足りない、と思えるMuseumで、息子がふと心惹かれたのはDraw itと書かれたコーナーだった。
博物館の中のものを描いてみよう、という企画。
他の来館者に踏まれそうになりながら、床に這うようにしてスケッチを描き上げ、2枚、ポストに入れた。満足そうだった。
展示の量にもサイズにも圧倒される中で、アウトプットしたくなったのかもしれない。この偉大な(と彼には感じられた)博物館に自分の描いたものも仲間入りさせたい、と思ったらわくわくして、描きたい気持ちが湧き上がってきたのかもしれない。その時の彼の気持ちは、想像するしかないけれど。
自分が関わった実感が味わえると、〈訪問〉が〈体験〉に変わるように思う。そして、自分の場所になるんじゃないかな。
「ここは自分の場所」って思ってもらえる仕掛けを、どう作るのかを意識すると、場の作り方は、きっと面白くなる。
■訪問データ
Natural History Museum
-所在地:イギリス(ロンドン)
-訪問日:2014年10月26日
■動物の剥製と出会ったMuseum
スコットランド国立博物館(エディンバラ)
スミソニアン自然史博物館(ワシントンDC)
レッドパス博物館(モントリオール)
ボストンハーバード自然史博物館(ボストン)