絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。
今回の絵本は『おにぎり』(平山英三:文 平山和子:絵 福音館書店)
どんな絵本?
丁寧な言葉と、やさしい絵で、おにぎりを作る絵本です。1個ずつ、丁寧に、ぎゅっぎゅっと握ったおにぎりは、本当においしそう。ご飯の湯気のにおいも感じられて、おにぎりが食べたくなります。
あそび① おにぎりをつくろう
こんな直球ストレートな絵本を読んだ後は、もう、直球ストレートに、「やってみよう!」って言うしかありません。おにぎり、握ってみましょう。
台所が汚れたり、お米が飛び散ったりするのが気になるかもしれませんが、最初の「おにぎり」は、ラップを使わずに、直接手でにぎってみませんか。
ご飯は、子どもが触れるくらいに、少し冷ましたものを使います。手水を付ける用に、少し大きめのボウルを用意しましょう。手をきれいに洗ってから始めます。
手水を付けたら、片手をお椀のような形にしてもらいましょう。そこに、大人が少な目のご飯をのせます。
ぎゅっ、ぎゅっと、握って、ひとまとめにします。最初は、ボールのようなまん丸に近い形になるかもしれません。無理に形は整えなくてもいいので、お米が丸まったら、「できたね」と声をかけて、お皿の上にのせます。
これで、完成。
ごはんがまだあったかいうちに、すぐに食卓に移動して、食べちゃいましょう。
食べる時に、海苔をまいてもいいですね。
お米のちょっと粘り気のある感触。暖かさ。手の中でまとまっていく変化。チカラの入れ方で、形が変わる面白さ。そして、におい。出来上がって食べる味。
五感を目一杯使うことが、体験の醍醐味だと思っています。どんな魅力的な絵本でも、味わえないこと。でも、こんな風に、絵本の世界を自分でリアルに体験して、そこで五感を充分にはたらかせれば、次に絵本を読んだ時には、感触や味を思い出し、想像することができます。
だからこそ、最初の「おにぎり」は、ラップを使わず、子ども自身の手で、チャレンジしてみたらいいなぁ、と思っています。
あそび② もっと おにぎりをつくろう
おにぎりは以外と自由度の高いお料理です。もう少し年齢があがってきたら、具を入れたり、見た目を変化させたりして、色々工夫して楽しむことができます。
ラップおにぎり。きゅうりの小口切りを塩もみして、しんなりさせたものを、花びらのように並べました、花形のにんじんと組み合わせています。
6歳の子どもが作った動物おにぎり。
黄色は薄焼きたまご、ピンクはハム、赤はスモークサーモン、緑はいんげん、あとは、海苔をキッチンばさみで切りながら作りました。
もちろん、食べ物なので、食べること前提で、工作のように凝りすぎない程度で・・・とは思います。食べるのが楽しい程度に、工夫してみてくださいね。
おにぎり、というごく身近な素材ですが、子どもが五感を使う要素が詰まっています。読んで、感じて、食べて、絵本の世界を目一杯吸収してみてくださいね。
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いかがでしたか。
絵本から広がるあそび、楽しんでみてくださいね。