連休遊びの準備をしよう:⑥手作りトランプは親バカになれる幸せな遊びかもしれない

おうちで過ごそう、と言われた連休が始まりました。おうちで、ちょっぴり時間があまりそうだから「あえて手間のかかる遊びを紹介する」企画。その⑥。

先週は記事のために、サンプル作って撮影して1人で熱心に遊んでいた母を見て、子どもたちは面白がったり、遊びに参加してくれたり、冷やかしたりしていたのですが。その中で息子が、ぽつりと、「ボクの一番のおすすめは、手作りトランプだな」と言うのです。

手作りトランプは、トランプの枚数分、52枚も絵を描きます。だから、お子さんによっては途中で飽きてきて、そこから先は苦行になってしまうので、あんまり一般向けではないなぁ、と、ずっと紹介することを躊躇してきました。

そして、躊躇した理由はもう1つ。息子に言いました。「手作りトランプの紹介って、うちの子、こんなにすてきな絵を描いたのよ、って親バカ記事にしかならないんだよね。」・・・でも、そう言いながら気づいたのです。手作りトランプを紹介すると、〈子どもの作品を素敵に引き出す方法〉を紹介できるかもしれない、と。
じゃあ、紹介しちゃおっかな。

画像2

最初に、「後からトランプとして遊べるための準備」を整えておきましょう。堅くていい紙を使います。画用紙だと柔らかすぎるし、裏が透けることが多いので、「ケント紙」がいいですね。画材屋さんや文房具屋さんで売っています。100均で調達できるものが良ければ、ボール紙でもいいでしょう。カッターでキレイに紙を切って、(ほぼ)同じ大きさのカード、52枚+ジョーカー分を作ります。

数字とマークも、最初に描いてしまいましょう。ここまで作れば、絵が完成しなくても、トランプとして遊べます。

そして52枚全部を、子どもに描いてもらうのではなく、親子で一緒に描くことを楽しむ時間にするといいと思います。

画材は、マジックペンなど、はっきりと色の出るものがお勧めです。マジックでメインの線をかいて、色鉛筆で塗る感じにすると、表現が豊かになります。マジックだけだと色の強弱が出せないので。

作る手順は、お子さんのタイプに合わせて、違うのですが、一例です。

●慎重なタイプや、年齢が低い場合は、「まず〈A〉の4枚」「次に〈2〉の4枚」「次に〈3〉の4枚」という風に、順に進めていくと安心して進められます。「Aは何を描こうか?」って、相談するといいと思います。例えば、Aはネコね、って決めて、4枚同じ絵を描いてもいいし、4種類の異なる表情のネコにしてもいい。神経衰弱やババ抜きで遊ぶと楽しそうですね。トランプ遊びにとらわれず、沢山のカードの中から、ネコを4枚集めよう、リンゴを4枚集めよう・・・みたいに、仲間集め遊びもできます。

●お子さんが、半分ずつ描きたいな、と言ったら、大人はわざとお子さんのマネをして同じ絵を描いてみるのはどうでしょう。(マネしてもいい?って、確認してくださいね。マネされるのを嫌がるお子さんもいるので。)同じ絵を合わせる絵合わせ遊びにもできます。子どもの絵をマネして描くのって、案外難しいんですよね。

●描くことそのものを遊びにする方法もあります。交互に〈絵しりとり遊び〉をしながら、描き進めるのです。この時はわざと、数やマークをバラバラの順番にしておくと、後からしりとりの順に並べ替える遊びに発展します。

●絵を描くことが好きで、大人に色々言われずに、自由にやりたい人は、「じゃあ、これに絵を描いて、世界に1つのトランプを作ろう」って言うだけで充分です。「パパ/ママも描いていい?じゃあ、ダイヤは、もらってもいい?」って感じで、ゆるやかに役割分担しましょう。

画像1

子どもの絵って、紙のサイズや画材によって、普段とは全く違う表現が、ひょこ、って飛び出すことがあります。このトランプは、お子さんが普段、学校の授業や園の作品作りで使う紙よりも1枚ずつのサイズが小さいんですよね。小さくて1枚ずつ独立しているので、1枚ずつ新しい気持ちで描くことができるから、こんなものも描いてみよう、というチャレンジがしやすいように見えます。
写真は、52枚全部、5歳さんが描いた時の一部。「バナナ」「ハート」みたいに、簡単に描ける絵のネタがなくなってくると、それ単独では絵にしないようなものを描こうとします。「こぶり」とか。(これとは別に、「あめ」と「おおぶり」もあって、降り方が違うのです。)「よる」を表現するために、黒い線を1本だけ引くとか。子どもの発想が垣間見られる喜びがあります。
ですから、あまり、「動物シリーズにしよう!」とか、大人が決めすぎない方が、面白い絵が生まれそうです。

そして、最初にマークは全部書いていますから、絵は全部仕上がらなくても遊べます。遊びに使いながら、また別の日に描き進めてもいいのです。苦行にしないように、「自分で作ったもので遊べる」ことを喜びに感じられるくらいのさじ加減で、チャレンジしてみてくださいね。