連休遊びの準備をしよう:⑤初めて転がす人のピタゴラあそび

連休に向けて、「あえて手間のかかる遊びを紹介する」企画。その⑤。
ピタゴラスイッチ、と言えば、ボールを転がして遊ぶあれね、とほとんどの人が、思いつくくらい、認知が広がりました。だから、ピタゴラスイッチを作ってみよう、と言うと、テレビでやっているような壮大な装置とか、時々YouTubeでUPされているような、部屋中を使った装置を思い浮かべるかもしれません。

でも、あんなに壮大じゃなくても、充分に遊べます。

というか、あの壮大さを目指したら、どこから手を付けていいか分からなくて挫折するか、大人が1人でせっせと頑張る傍ら、子どもは飽きて別のことをしている、なんてことになりそうです。

あんなに、壮大じゃなくててもいい。子どもは、ボールが転がるだけで、充分に楽しいのです。

例えば、トイレットペーパーの芯を半分に切って、縦に長く貼れば、30センチちょっとの「樋」ができます。これを、ちょっと斜めに持って、ビー玉を転がしてみる。たぶん、それだけで子どもは大喜び!「やらせてやらせて」、って自分でもやってみようとします。(2,3歳から小学校低学年くらいまで、みんな、やってみたくなるんですよね。)

この「樋」をもっともっと長くしてみたら・・・?転がすものも、ビー玉だけでなく、他の転がりそうなものも試してみたら・・・?樋の角度を変えて見たらどうなるでしょうか。ビー玉と、スーパーボールと、どんぐりでは、転がり方は違うでしょうか。時々、勢いが付きすぎて樋から飛び出したりします。それも楽しい。

さて、「手間と時間をかけてでも、たっぷり遊ぼう」という企画なので、トイレットペーパーの芯ではなく、もうちょっと整った小道具を探してみました。ホームセンターで売っている「雨どい」を使うと、長くて、しっかりしていて、すっごく遊びやすいけれど、嵩張るし、値段も決して安くはないので、さすがに断念。(お家にダイナミックな砂場遊びや水遊びができるお庭がある方には、おすすめしたいところですが。)もう少し手軽なもの・・・ということで、今日は100均で売っていた「配線カバー」を使ってみることにします。

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上下に組み合っているのをはずすと、溝のある棒みたいになっています。このサイズに合わせて転がるものを探してみました。

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青いビー玉は、まん丸で重さがある。赤いビーズはまん丸ではなく、穴もあいていて、軽い。石ころは、もっと丸くない。黄色いボールは鈴が入っていた音が鳴る。どんぐりもあれば良かったなぁ、残念。

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平らなままでも、結構遊べます。両方から指ではじいて、どっちがチカラがあるのないの、とか言いながら、ぶつけて遊んでいるところです。指ではじいて、どらくらい遠くまで転がるか、という風にも遊べますね。

この棒(レール?)を手でもって、丸いものを転がします。転がしたい人と、転がってくるものを下で受け止めたい人がいます。1つずつ転がすのが楽しい人と、複数のものを一気にざざざーっと転がすのが楽しい人がいます。ビーズなんかを、一気に転がすと、大きな音もするし、カラフルだし、ちょっと興奮するかもしれません。

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素材によって転がりかたが違います。早かったり遅かったり。なめらかだったり、途中で止まってしまったり。「どう違う?」とか、クチに出して聞かなくても、あれこれ試してみて、早っ、とか、止まっちゃった、とか、こっちはどうだろう、とか、そういうアレコレがいいですね。

ひたすら転がすことを楽しんだら、装置っぽいものへと、遊びを変化させてみましょう。貼ったりはがしたりしても、傷つかない場所でやるといいですね。木などのつるっとした場所に、マスキングテープを使うならば、家の壁直接でも大丈夫だし、持ち運びを考えるなら、潰した段ボールでもいいかもしれません。

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右のレールを転がったボールが左のレールに飛び移り、紙コップに入るために、どれくらいの角度がいいか、試しています。右のレールが結構角度がついているので、左のレールはかなり立てないと、飛び出してしまうようです。ちょっとずつ角度をずらしながら、紙コップに入れようと何度もチャレンジ。装置としては、これくらいシンプルなものを試してみるだけで、夢中になれるんですよね。(小学生と中学生で遊んでいます。)

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左上からビー玉を転がすと、レール5本を順に転がって、最後に鈴を鳴らす、という、ごくごくシンプルな装置。ほんの15秒ほど。こんな簡単なものですが、角度が緩すぎると転がらないし、急すぎると飛び出すし、ちょっとずつずらしたり、距離を近づけたりしながら、30分以上もかかってしまいました。でも楽しかったなぁ。市販のおもちゃだったら、何度か転がしたらあぁ、こんなものね、って遊び終わりそうだけれど、自分で角度を調整するだけで、いくらでも遊べます。そして、30分もかけて角度を調整したのに、ボールが変わると、うまくいかないのです。それぞれのボールに合わせた角度があるんですね。

この、転がす遊びを発展させるとコリントゲームになります。板の上に迷路のような道を作って、板を傾けてボールを転がして遊ぶゲームです。とはいえ、ご自宅で遊ぶなら、1日でここまで欲張らなくてもいいかもしれません。日を超えても転がす遊びを楽しんでいたら、次の遊びとして作ってみるのもいいですね。

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そんなこんなで、「転がす」だけで充分に楽しいよ、という遊び。シンプルなように見えても、ちょっとずつ変えながら、試してみるだけで、実は楽しみってどんどん広がるんだよね、ということを感じて頂けたら嬉しいです。