お日様を一杯あびたくなるいい天気。以前から気になっていたインクルーシブ公園に行ってみた。目的地は、都立砧公園にある「みんなのひろば」。
広い広い公園の中でも、アクセスしやすいエリアに「みんなのひろば」はあった。遠くからでも、子どもが「あっ、行きたい」と思うような色鮮やかな遊具が見える。楽しそう、遊びたい、って思える姿をしていることが、こういう場では何より大切。
そもそも子どもたちの場所は、インクルーシブなものとの親和性が高いんじゃないかな、と思うのだよね。子どもたち、と一言で言っても、0歳から5~6歳、もっと上の年齢まで、体格も、身体の使い方も、遊び方も、違う。その〈違い〉の要素を、すこし広げれば、もっと色々な子どもたちが遊べることが増えて、誰にとっても遊びやすい場になるよね。
身体を支えてくれるイス型ブランコは、今まで身体的な特性からブランコに乗れなかった子どもも楽しめるのかもしれないし、それだけじゃなくて、従来型のブランコに乗れない小さな子どもでも楽しめると思う。
たぶん、この公園のシンボル的な遊具である船型遊具(みらい号、って言うらしい。)車椅子でも上まで行けるように作られたスロープは、カメラに収まらないくらい、ゆったりと長い。
子どもたちの中には、この緩やかな坂道が楽しくって、駆け下りたり、駆け上ったりして遊ぶ子もいるんじゃないかな、と思う。その時に「車椅子のための場所だからだめだよ」という言葉かけではない関わり方が、私は好き。例えば、その坂道があることで、どんないいことがあるのか、坂道しか使えない人が通りたい時にはどうしたらいいのか・・・と一緒に考えたらいいと思うんだよね。
「みんなのひろば」のすぐ隣にあった遊具。ターザンロープを周回型にしたような遊具で、一段高くなったところから、紐をつかむと、高低差を生かして、1周ぐるりと回ってくることができる。危なくないように、この遊具の周りだけが背の低い柵で囲まれていた。4~5歳くらいの女の子が、気に入って、何周も何周も楽しんでいた。
的外れかもしれないけれど、この装置、神奈川ライトセンターで見学をした視覚に障害を持つ方のためのジョギングコースと、原理が同じなのだ。ライトセンターのジョギングコースは、天井からモノレール式のガイドロープが垂れ下がっていて、それをつかんで走れる、という施設。
ここで楽しく遊んだ子どもが、ずっと後になって、同じような仕組み、がハンディを持つ人の助けになっていることに気づいたら、なんだかいいな、と思った。
全体的に、特注の遊具というよりは、見たことのある遊具の組み合わせが以外と多かったことも印象的だった。もっと「ここにしかないもの」ばかりだと思っていたので、最初はあれ?と思ったものの、インクルーシブ公園が、限られた場所だけにある特別の公園になるのではなく、どの地域にもある、当たり前の公園になるためには、汎用品を使っている方がいい。
平日の午前中、小さな子どもたちが、保護者の方たちと一緒にのんびりと過ごしていた。誰にとっても使いやすく、そして、誰にとっても楽しい、愛着のある場になればいいなぁと思う。子どもの頃に過ごした場が、無理なく自然に、様々な特性を持つ人を受け入れる場であることが、子どもたちの「当たり前の概念」に与える影響は大きいと思うのだ。
※「みんなのひろば」については、この記事を参考にしました。シェア