【小さな遊び】おうち遊びのアイディア④:大変な時期だからこそ遊びが必要だった(2020年5月のあそび風景から)

2020年2月末、新型コロナウィルス感染防止を目的として
小中学校が、全国で一斉に休校となることが決まりました。
子どもたちが自由に外に出かけられない状況は
5月末まで続きました。
毎日の「じっくりのあそび」配信を終了した後も、
Facebook〈あそびのじかん〉では、なるべく具体的で
すぐに真似できるような「おうち遊び」の紹介を続けました。


お面づくり

2020年5月1日
身近な素材で、お面を作る。
厚紙でもいいし。
紙袋でもいいし。

パーツを貼ってもいいし。
マジックで直接描いてもいい。

それで、お面を作って
何かの生き物になったら
その生き物になりきって
がおーーーっ!!と
思いっきり吠えたらいいと思うんだよね。

身体を動かすことで
発散していた何かが
今、充分に発散できないとしたら
何かの生き物になりきることで、

がおーーーーーーーっっ!!

と発散できたらいいと思う。
あ。大人もね!

大きな声を出すと
声と一緒に、
もやもやも、出ていく。
多少はね。

そういう場面を
遊びの中で作っていけるといいよね。


距離を保つための「1メートル帽子」

2020年5月3日
世界のニュースを観ていたら
小学校が再開をした上海で
子どもたちが「1メートル帽子」を
被って登校している、という映像が
目に飛び込んできた。

いいな、これ。
小学校低学年に1メートル離れる
と言っても、まだ長さの感覚がない。
こんな風に、リアルなツールはいい。
そして、1人1人全く違うのもいい。
家庭で工夫して作ったんだろうか。

やってみるか。

アタマにかぶる部分は
牛乳パックで作る。
一番のポイント「1メートル」は
新聞紙を細ーく巻いてみた。
90センチちょっと。2本作る。

帽子のてっぺんにテープで留めると
棒自身の重さで
くたん、と倒れてしまった。

さて。どうするか。
もちろん倒れない丈夫な材料があれば
それが手っ取り早いのだけれど。
どうしたら倒れないか
考えるのが面白いんじゃないか。

結局、アタマのてっぺんの柱から
リボンで「1メートル」を
釣る方式を採用。

かぶってみたのが、こちら。
折り紙やシールで飾ろうと
思っていたけど
ここまでで、やりきった感じ。

ちなみに、この長さだと
家の中でモノにぶつかりすぎて
1歩も前に進めませんでした。

撮影後、柱が折れて
大破しましたが
「壊れる」ということが
それだけで、可笑しかった。


「おうち展覧会」を開催する

5月8日
お休みのあいだ
レゴばっっっっかりやってるんです、
という保護者の方に
「レゴ展覧会」をやってみたら?と
お話しました。

大好きなこと・熱中できることがあるのは
とてもすてきなこと。
だから、他のことにも
目を向けて欲しいな、と思うなら
そこから広げていけると
子どもにとって興味が広がりやすいです。

作品を作って。
作品名を描いたプレート、
入場券やポスターを作れば
字だって、書きたくなる。
字が書けるといいね、という
状況を味わうことが
結局、学びの動機付けになると
私は、考えます。

部屋の一角にテーブルを用意して
どんな風に作品を並べたらいいか
自分であれこれ考えて。

大人は「お客さん」になるので
完成するまでは見ません。

レゴだけじゃなくて、工作・絵・ラキュー
アクアビーズ・アイロンビーズ・・・
なんでもできそうですよ。

お客さんは、展覧会を観覧の際には
最大限の賛辞を送ってくださいね!!

写真は
「おうちの部屋を恐竜博物館にして
 みんなに来てもらおう」と言いながら
描き上げたポスターです。
窓の外に貼ろうとしたんだよねー、これ。


「いい遊び」ばかりじゃなくていいんだ!

2020年5月15日
休園休校期間も
長くなりました。
いつも「いい遊び」ばかり
していなくてもいいよね。

ま。そもそも「いい遊び」というのも
大人が勝手に思っているだけで
子どもにとっては
いいも、悪いもない。

ただお布団でごろごろするとか。
おもちゃや絵本をわーっと出すとかとか。
大きな声を出すとか。
新聞紙をびりびり破る。
その新聞紙を丸めて投げるとか。

子どもだって、身体を動かし足りなくて
色々うずうずしているかもしれないし。

発散するのも、
子どもにとって必要な動きなんじゃないかな。
大人にとっても、必要だよね。

時には、意識して、発散しよう。
わーーーーーーーっ!!!


水を飛ばすのも科学かもしれない

2020年5月18日
ムスメが朝ご飯の食器を洗いながら
スプーンで水を飛ばしているので
「んもー、またあそんでー」
と、ちょっとイラっとしたのです。

怒るとケンカになるので
「キレイに水が飛び散るねー」と
言ったら、
「そうだよ。」と。

「スプーンをこっち向きにすると
上向きに水が広がるの。
逆にすると、下向きになるの。
ほらね。
知らなかったの?」
・・・と言うてました。

遊びの中に学びはある、というのは
こういうことですね。

暮らしの中に遊びがあり
遊びの中に学びがる。

ということを、子どもたちは
何気ないタイミングで
ふっと教えてくれます。

それを受け取ることのできる余裕が
私に、必要だよなぁ、と思うわけですが・・・

食器はちゃんと洗ってほしい。


今だからこそ、同じ遊びの繰り返しを大事にしたい

2020年5月22日
おうち時間が長くなってきて
同じ遊びを毎日繰り返す、というのが
現実的な過ごし方かもしれません。

それでいい。
いや。
それがいいと思います。

家にいて、遊びが変わらないことを
「仕方なく・・・」って思わなくていい。
子どもにとっては
自分のしたいことを、毎日繰り返せる
貴重な時間です。
好きだから、毎日続くのです。
好きなことを、やり尽くせる
めったにないチャンスだと思えばいい。

もし「毎日くり返す遊び」が
デジタルなゲームやテレビを観ることだったら?

普段の私は、こういう遊びは
諸手を挙げて賛成はしないのだけれど・・・
今は緊急事態なんだもの。
大人も、子どもも、
今だけの特別ルールを作ることで
イライラやトゲトゲが減るならば
そこも、適当に使えばいい。

この状況が
子どもたちの学びや遊びの時間を
失うことに繋がってはいけないと思う。
だけど、子どもは本来
どんな環境でも、遊び、学ぶ。
大人がお膳立てしなくても。

平常事態と同じかたち、同じ価値観の
遊びや学びが実現できなくてもいい。

ただ、その代わり、
子どもの姿は、ちゃんと観ておきたいな。


レゴの顔がみんな変わっていたワケ

2020年5月27日
気づいたら
レゴの顔が多彩になってました。
「描いたの?」
「うん。
だって、同じ顔ってことは
ないでしょう?!」

考えてみれば
モノを大事にする、というのは
買ったままの状態であることではない。
そのままメルカリに出せる状態でもない。
自分が愛着を持って
自分なりの遊び方のために
アレンジを加えつつ遊ぶというのは
本当に、そのモノを大事に思うからこそだね。

おもちゃが遊びを決めるのではなく
子どもが遊びを決められるおもちゃを、
と伝え続けてきたわけですが。

どんなおもちゃだって
自分の土俵に引き込むことができれば
どんなモノだって
自分で遊びを決められるおもちゃになるね。


がんばったね、って伝えあう。

2020年5月28日
「修了証書」をもらいました。
外出自粛期間の修了です。
がんばったね、って
お互いに讃え合うことって大事で
その讃え方に、あそび心があれば
もっとすてき。

印刷でも。手書きでも。
お互いに作り合って渡しあっても。
週末に、いかがですか?