広大な敷地を持つ台北動物園。動物の生息域ごとに、13のエリアに分かれているらしい。(地理学的展示法!シアトルの動物園の時にご紹介した、動物の本来の生息環境をなるべく再現した展示法だ! 展示にもパターンがあるということを知ると、動物園の見方が変わってきた。)
この動物園には、パンダもいればコアラもいて、ペンギンもいれば台湾に生息する動物もいる。ゾウもキリンもサイもカバも、みんないる。思いつく限りの動物は、みんないる、というイメージ。そして、比較的広い環境の中で、ゆったり過ごしている。
このサイたち、ホントに気持ちよさそう。
そして、ここで印象的だったことは、動物だけではなく、訪れた人も、歩いていて楽しい場だったな、ということだ。通路部分も、岩っぽくなっていたり、一段高くなっていたり、ちょっぴり遊びながら歩きたい感じがする。
動物を観察する、学ぶ、という目的以外にも、広々としたところでリフレッシュしたいよね、とか、子どもたちは体を動かすと楽しいよね、という気持ちに応えてくれる場所だなぁ、と感心する。
触ってみよう、というアイコンの描かれた体験コーナー。触っているのはしかのツノ。でも、この〈手〉のアイコンは、ここでしかみなかった。触る、などの体験的な解説よりも、ボード解説の方が多かった。そのボードも決して目立つ訳ではなく、知識を伝えることよりも、まぁまぁ、うちの動物くんたちを観てってよ、という印象を抱いた。
だってほら、動物によっては、こんな近くで観ることもできる。一般的な解説をただ読むよりも、本物をじっくり観るところから、借り物ではない記憶が生まれるものね。
そして、お待ちかねの「パンダ」。色々なサイトを観ても、とにかく有名。〈台北市立動物園の顔〉的存在なのが、この「パンダ」。
行ってみて分かった。
片時もじっとしていない。
立ち上がり、木に登る。木の高いところにあるエサを取っては、下りてきて食べる。また、木に登る。
パンダが木に登るところを、始めて観た!
というか、こんなに、ずっと動き回っているパンダを、始めて観た。
たぶん、パンダのことを良く知っている人が環境設計をしたのだろう。何があれば、良く動くのか。食べ物はどれくらいの高さに置けばいいか。どんな動きを見せられると来場者は喜ぶだろうかと。
さて。環境を作るためには、そこで住まう動物のこと、そこに訪れる来場者のこと、どちらの想いも、楽しみも、心地よさも、良く分かっていることが必要なのだなぁと思う。そういう意味では、台北市立動物園は、動物も来場者も、どちらも楽しめるようにと思いながら、環境を作っていることが伝わってきた。大勢の親子が訪れるのも当然だなぁ。
■訪問データ
台北市立動物園
-所在地:台湾台北市
-訪問日:2015年9月21日
■その他の動物園
旭山動物園(北海道・旭山市)
ウッドランドパーク動物園(アメリカ合衆国・シアトル)
チューリッヒ動物園(スイス・チューリッヒ)
ロンドン動物園(イギリス・ロンドン)