【はじめよう親子あそび】「はさみ」は大人も子どもも挑戦が一杯!

【はじめよう親子遊び】は、0~3歳くらいのお子さんがいるお父さん/お母さん向けに、どうやって親子で遊べばいいの?という疑問や不安にお応えできるような、具体的な「どうやって」をお伝えしていくシリーズです。
今日のテーマは「はさみ」。


「はさみ」って、知育的な関心が高いテーマなんですよね。「はさみはいつから始めたらいいですか?」「どんな風に始めたらいいですか?」とご質問頂くことが多いのは、早く始められると保護者がなんとなく安心するのかなぁ、と感じます。
とはいえ、いつもお伝えしているように、こういう新しいことを始めるタイミングは、早ければいい、という訳でもない。大事なことは、その子自身にとってちょうどいいタイミングかどうか、です。

1.はさみはいつから始めればいい?

はさみの練習を始めるのは、一般的には2歳前後が目安だと言われていますが、あくまでも「目安」です。この時期のお子さんは、興味関心も、器用さも、言葉の理解も、本当に1人1人違い、年齢だけで判断することは難しい。
お子さんの状況を判断する材料として、私は次の3点が揃っていることが、1つの目安になると考えています。

①紙を丸める、ちぎる、など、手を使って素材の形を変える遊びを充分に楽しんでいること。(素材遊びをしたことのないお子さんが、突然はさみを使いたい、となる訳ではないのです。手を使った遊びがあって、きれいに切りたいな、とか、こんな風に切りたいな、という気持ちがわいてきて、その気持ちを叶える便利な道具がはさみなんだ、という段階があります。紙を使った素材遊びのやり方は、こちらからどうぞ。

②その上で、「はさみ」を使ってみたい、と、子ども自身に意欲があること。
③危ないものだから、使う時には、このルールを守ろうね、が理解できて、守れること。

2.はさみの選び方

さて、それじゃあ、始めてはさみを使ってみよう、と言うときに、どんなはさみが良いでしょうか。一般的に、「危なくないように安全なはさみを使わせたい」と言われがちですが、はさみは刃物です。ちょっと乱暴に使っても怪我しないから大丈夫、というものを渡すのではなく、正しく扱わないと危険もあるという前提の上で最初から正しい扱い方を伝えることをおすすめします。

何より、「安全なはさみ」と言われるプラスチックのはさみは、切れないんですよ。切りにくい、どころじゃない。切れません。はさみの使い方を分かった大人が、正しくチカラをかけて、やっと薄い紙が切れる程度です。これでは、楽しくないし、達成感もないし、何より、切れない道具で無理やり切ろうとするので、「正しい使い方」を学べません。

また、ステンレスのはさみにも、大きく2種類あります。刃がプラスチックでカバーされているものと、されていないものです。

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刃がプラスチックでカバーされているものは、「刃が守られていて安全」「切れ味は変わらない」という風に思われがちですが、プラスチックでカバーされているために、「自分が紙のどの位置を切っているかが見えない」のです。線に沿って切る、細かな形を切る、と言うときには、思い通りの形に切れません。

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という訳で、子どもの手のサイズに合わせた、刃がステンレスのはさみをおすすめします。写真のはさみは、我が家でもう11年くらい使っているものですが、親指と人差し指のチカラのバランスが少々悪くてもちゃんと切れるので、大人向けの事務用のはさみよりも、使い勝手がいいくらいです。

3.安全のルールを確認する

初めてはさみを使う前に、「ちゃんと使わないと、いたくなるので、今から大事なことを、お話します。はさみを使う人は、今からお話することが、ちゃんとできる人です」という風に、ルールを伝えてください。(おやくそくできない子は、はさみ使わせないよ、みたいな言い方にならないといいですね。)
ルールはたくさんあると、覚えきれないので、最初は多くても2つまでがいいです。一般的には、①必ずお母さんかお父さんと一緒に使う ②きるところを他の人に向けない などがいいですね。

ルールを伝えたら、始めます。

4.はさみで切ってみる!

初めて使う時には、1回「じゃきん!」と切って、切り落とせるところから始めるのが一般的です。(一裁ち切り、と言います。)

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紙を細く切った短冊を何本も何本も用意して、たっぷり切って遊びましょう。

紙は、あまり柔らかすぎると逆に切りにくいので、少しハリがあるものがいいです。コピー用紙などを使う時は、左右を持って、ピン、と張ってあげると切りやすいですね。洋服を買った時に型崩れしないように入っている紙(薄めのもの)とか、しっかりしたチラシなどがおすすめです。

はさみの基本は、おへその前で、はさみを真っすぐ前に向け、自分の正面から向うに向かって切ること!それだけです。

大人は、一裁ち切りから早く次の段階に進みたいと思いがちですが、まずは、たっぷりたっぷり一裁ち切りを楽しんでください。切ることが楽しくなったり、もっと色々な形を自分で切りたくなれば、お子さん自身が、「もっと切りたい」「長く切りたい」ってすぐに言います。

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何より、一裁ち切りは、始めてのはさみ記念!ただの切れ端ではなく、子どもの初チャレンジの証です。そのままゴミ箱行きはちょっと寂しい。おままごとの鍋や、お皿に入れて、何かに使ってみるのもいいかもしれません。写真のこれ、〈まぐろのっけごはん〉みたいじゃないですか?

5.まとめ

初めてのはさみ、楽しめたでしょうか。
はさみは、大人にも子どもにも、大きなチャレンジです。子どもにとっては、はさみ、という道具を扱うというチャレンジ。そして、大人にとっては、便利さと危険の両側面を持つ道具を子どもに渡し、その体験ををじゃましない、というチャレンジ。
子どもとの関わりの中では、心配や不安もありながらも、子ども自身が取り組もうとすることを、じっと見守るという場面が、これからどんどん増えてきます。「はさみ」というのは、大人にとっては、その見守る練習の第1歩のようにも思うのです。