運動会とField Day

FieldDay

春に運動会を実施する小学校が増えているそうです。

学校の年間スケジュールの事情によるものようです。

また、新学期から2ヶ月弱、「クラスみんなでの協力」という

学級運営上の目的設定の上でも効果的なのかもしれません。

息子が参加した競技は、徒競走と台風の目(長い棒をチーム4人で持って走る)

それから、表現種目のダンス。

徒競走のタイムを測って紅白に分かれたことや、練習で誰が強い、どちらが勝った、という話を

毎日、毎日、事細かに話していました。

ダンスで使う小道具を作る担当になった、と張り切って、朝早く学校に行くこともありました。

そうして迎えた運動会は、いかにも日本の学校らしいなぁと感じました。

学年が上がるにつれて、司会や誘導などの役割を持ち

「みんなで創り上げる」過程を大事にするところ。

上の学年の姿に憧れを持ち、あんな風になろうね、と、目標を持たせるところ。

FieldDay

ボストンの学校にも運動会らしきものがありました。

Field Dayと呼んでいました。

練習は1回もなし。それどころか、何をやるのか、こどもたちは当日まで知りませんでした。

当日は、8年生(最上級生)のお兄さんお姉さんたちと、ボランティアの父兄が待つ校庭へ。

8種類くらいのレクリエーションを1つずつめぐり、時間になったら次の場所に移動・・・を繰り返し

身体を使う遊びを楽しんでいました。

スプーンレースやフラフープ、バルーンなどなど

早さを競うものもあれば、自分1人で楽しむものなど内容も様々ですが、成績は残しません。

やったら、おしまい。

潔いほどに「外遊びを楽しもう」を徹底していました。

FieldDay
比べても意味がないと思っています。

全然、目的が違うので。

日本の運動会だけを見てきた人は、息子たちが体験したField Dayを見て

「楽しそうでいいね」と思うかもしれません。

日本の運動会は練習がキツくて楽しくない、思っている人もいるかもしれない。

一方で、うまくなりたいとか早くなりたいという目標のない取組は刹那的な楽しさに過ぎず、

スポーツの本当の楽しみを味わえていないと思う人もいるかもしれません。

それぞれに、その通りだなぁ、と思います。

そして、良し悪しを論じても意味がないと思います。

かつてこどもだった大人たちにも、好みがあります。

運動が得意だった人、ニガテだった人

運動会が一番の活躍の場だった人、苦痛だった人

それぞれに、自分の思い出を色濃く反映させて、論じてしまいがちです。

同じ「スポーツを楽しむ」ための行事でも、こんな風に違いが出ることを、面白いなぁと思います。

そして、知らないうちに、自分の経験が物事の尺度になっていたなぁと気づきます。

新しい価値観に出会うことの醍醐味は、その気づきの面白さだと思うのです。
息子は、FieldDayも運動会も、楽しんでいました。

母親としては、それだけで、もう充分に嬉しいのでした。