【季節のおすすめ絵本】2月:ゆきの日は とくべつな日

この季節だからこそ、味わいたい絵本、というものがあります。
もちろん、子どもたちが、真冬に水遊びの絵本が読みたくなったり、雪だるまの絵本が好きすぎて1年中楽しんだりする姿も、それはそれで微笑ましいので、あんまり厳密に「絵本を使って季節を教えよう!」とは思わないのですが。
もっと緩やかな感覚で、〈今年も、この季節だなぁ〉とか思いながら、手に取りたい絵本があってもいいよね、という想いで、月ごとの絵本をご紹介していこうと思います。

「ゆきの日は特別」なんて言うと、「冬になれば、雪が日常だよ」という地域の人たちからは、そんなことないよ、って思われるかもしれないけれど、でも、やっぱり「ゆきの日」は、特別だなぁ、って思います。
見慣れた景色が、全く違って見える。全く違う世界が広がっている。

そんな、「ゆきの日」の驚きと喜びを感じる絵本を紹介します。


ごろんごゆきだるま たむらしげる:作 福音館書店
シンプルな言葉と、布の原画。ゆき、という世界への憧れを感じる絵本です。やわらかな擬態語の多い言葉は小さな子どもの耳にも心地よく、布の手触りが伝わってくるような絵は、はっきりした色なのに、やさしいのです。
ゆきだるまが歩き出す姿に、子ども自身の成長が重なって見えますね。

同じく小さな人に向けた絵本でも、もう少し物語性のあるのは、こちら。


はじめてのゆき』 中川季枝子:作 中川宗弥:絵 福音館書店
はじめてのゆきと出会ったとらたの驚きとわくわくが、伝わってくる絵本です。1つ1つの小さな仕草を見逃さないからこそ、子どもの気持ちにすっと届きます。余白もいいですね。

ゆきと出会った子どもの姿を描いた本をもう1冊。


ゆきのひ』エズラ・ジャック・キーツ:作 木島始:訳 偕成社
ゆきと出会う子どもの心の動きが、情緒的に描かれています。絵の美しさも、言葉の美しさも、詩的なんです。何度も何度も、じっくりと味わいたい絵本です。

同じ題名の絵本ですが、全く違う切り口もあります。


ゆきのひ』かこさとし:作 福音館書店
かこさとしさんの描く「リアルな世界」には、リアルだからこそのわくわくと、興味深さがぎゅぎゅっと詰まっていると、いつも出会う度に感嘆します。雪のある暮らしのリアルを、真っすぐに、丁寧に描いている。生活の記録としても、文化の記録としても、気づきや発見が沢山あり、もっと知りたくなります。

リアルな絵本という切り口にも、色々あります。社会的/文化的な切り口でのリアリティだけではなく、科学的な切り口でのリアリティのある絵本もいいですね。


 

おかしなゆき ふしぎなこおり』片平孝:文/写真 ポプラ社
ゆきのかたち』高橋健司:監修 片野隆司:写真 ひさかたチャイルド
どちらも、自然の生み出す情景に、びっくりしたり、わくわくしたり、驚いたり、圧倒されたりする写真絵本です。なぜこんな景色が生まれたのだろうって興味を持ったり、魔法の世界を想像したり、自然への関心が深まったり・・・楽しみ方はそれぞれですが、自然の持つチカラと魅力の底知れなさを改めて感じる写真にきっと出会えると思います。

いかがでしたか。
こんな風に本を並べていくと、ゆきの世界は、ファンタジーだけでなく、文化的にも、科学的にも、私たちに沢山の「知りたい」を伝えてくれているなぁ、と改めて感じます。
ゆき、という、いつもと違う体験の中から、新しい興味が見つかれば嬉しいです