赤ちゃんのおもちゃ(小さな人と大人とをつなぐもの)

娘のために最初に作ったおもちゃは、オーガニックコットンで作ったうさぎでした。中に手芸用の鈴が入っていて、振ると音がします。(手芸用の鈴、というのは、鈴の外側にプラスチックの球が付いているものです。このプラスチックがないと、綿が鈴の穴に入ってしまい、音が鳴らなくなるのです。)

娘がすごく喜んだか、といえば、そうでもありません。よく分かっていなかったと思います。娘よりも、周りにいる大人たちの方が喜んだ。だって、鈴を鳴らす、という、娘との関わり方が1つ増えたからです。

ごくごく小さな赤ちゃんのためのおもちゃや絵本は、赤ちゃんだけのものではなく、赤ちゃんと周りの人を繋ぐお手伝いをしてくれるものだと考えています。周りの大人たちが赤ちゃんと関わることを助けてくれるのです。

そして、うさぎの人形を作った、ということは、私自身の心の支えになったと思います。(実は入院中に作りました。)それは、娘のことを大事に思っているよー、という気持ちが、目に見える形になったから。
親って、喜びと不安の両方を抱えているものなので、どんなに子どもとの時間を一生懸命に過ごしていても、「自分はちゃんとできているかな」って心配になってしまうことは、もちろん、誰だってあります。その時に、でも、自分は、この子のことを、こんなにも大事に思って一生懸命やっているよね、と言うために、何か具体的なモノがあると、有難い。
それは、手作りのおもちゃである必要はなく、心を込めて選んだベビー服でも、お店から大きな荷物を担いできた布団でも、気づいたら撮っている写真でも・・・何でもいいのですけれど、それが私にとっては、おもちゃだったのです。(元おもちゃ企画者ですからね。)

子どもたちが赤ちゃんの時は、私も今のような仕事もしていないし、まだまだ知らないことだらけでした。そして、何か興味を持ってくれるおもちゃを提供できたら、子どもが1人で勝手に遊んでくれるように思っていました。でも、そうじゃなかった。一緒に遊ぶと大喜びするおもちゃなのに、おもちゃだけ渡して家事をやっていると、よく、「ふぇー(一緒にやろうよー)」と呼ばれました。(もちろん、1人遊びが得意なタイプの赤ちゃんもいます。)生まれてから数か月の間、彼らにとっても、おもちゃは、自分と大人をつないでくれるものだったのかもしれません。何もない時は、黙って座っている大人でも、おもちゃがあれば、話しかけたり、動かしてくれたり、色々なものを見せてくれたり、何かしら関わってくれる。

モノは物として意味があるのではなくて、使われ方によって、意味がプラスされていくのかもしれませんね。

赤ちゃんにどんなおもちゃがいいですか、と言われれば、手触りや質感、音の出るものは音の美しいもの、色や形が美しいもの・・・と、いくつか思い当たるものはあります。とはいえ大事なのは、ブランドでも、値段でも、効能でもなく、自分と赤ちゃんとが一緒に使って嬉しいかどうか、ということ。

赤ちゃんとお母さん/お父さんとが、一緒に使い、親子の関わりが増えて、共に嬉しくなるようなおもちゃに出合えたらいいなぁと思います。