【特別じゃない遊び】ステンドグラス風絵の具作品

遊びは日常です。時には、張り切って準備したり、貴重な道具や材料を使う「特別な遊び」もあるけれど、基本的には、毎日毎日続く日常です。だから、身の回りのものを使って、あまり頑張らなくてもできる【特別じゃないあそび】のアイディアをご紹介していきます。日々の遊びのネタが少しでも増えれば嬉しいです。

何よりも、「何か具体的なモノを描いたわけではない」それでいて「美しい」ものを描く、という制作遊びを、ぜひ紹介したかったのです。(それについて、詳しくは、後半でお話させてください。)

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材料は、黒い画用紙とマスキングテープ、そして絵の具。
少し高年齢(年長クラスから小学生)が楽しめます。

1.遊び方

①黒い画用紙を正方形に切ります。どうしたら長方形の紙が正方形になるのか、お子さんと一緒に考えながら折ったり切ったりするのもいいですね。

②黒い画用紙の4辺にマスキングテープを貼ります。(実は、この作業が、3~4歳さんだと、まだ難しい場合が多いのです。)テープを適切な強さで引っ張りながら、逆の手でテープを抑えて貼っていく、と言う作業はなかなかコツがいるんです。

③マスキングテープを自由に貼ります。道路をつなげていくイメージです。大事なのは、道路(=テープ)は、必ず、どこかの道と繋がっている、ということです。迷子の道は作らない。規則性は持たせなくて良いのですが、小学校高学年くらいになると、逆に不規則な方が難しいみたいです。

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④テープを貼ってできたマスを、好きな色の絵の具で塗ります。全ての色を白をまぜた色にすると、黒い画用紙に映えますよ。水は少ない方が仕上がりがキレイです。

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色を塗って1時間くらい置き、触っても手につかないようになったら、マスキングテープを全部はがします。全部はがしたら完成!

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ステンドグラス、と言う意味では、昨日のセロハンを使ったステンドグラスに比べて、光も通さないし、向こう側も見えない。およそガラスらしい要素はないのです。ただ、黒い縁と塗った色とのコントラストが美しく、「黒いフレームとガラスの色の対比がステンドグラスっぽい」と思えば「ステンドグラス風」と言ってもいいかな、と思って、名付けました。

2.絵の具遊びのコツ

家で絵の具を使う時のコツは、片付けの省エネ化です。
まず、遊ぶエリアには、ばっちり新聞紙を敷き詰めておきます。
パレットの代わりに紙皿を使います。
水入れの代わりに紙コップを使います。(水はコップの半分以下にしてください。)
筆を洗う時に、毎回紙コップの水を使うと、あっと言う間に水が汚れてしまうので、ウェットティッシュとティッシュをなるべく活用します。

今回の遊びは、年長さん以上を対象にしているので、絵の具を床や壁につけてはいけない、ということの分別が付いている人たちなので、準備はこれで充分。(もう少し小さい人だと、また違う準備が必要ですね。)

片付けの時には、紙皿も紙コップも、新聞紙にくるんで捨ててください。それだけですよ。

3.「何を描いたわけでもないけれど美しい」の大切さ

「何を描いたわけでもないけれど美しい」ものを描くことの大切さを、改めてお伝えしたいと思います。

大人たちは、なんとなく、作品を作るって、何か描きたい対象があるんだと思い込んでいて、ついつい、「何を描いたの?」って聞いてしまうんですよね。そして、描いた人の答えを聞いて、「あぁ、上手だね」「●●に見えるね」って言ってしまう。そのうち、だんだん、「実物に似せて描いた絵がうまい絵」のように、無意識に「評価」してしまうんですよね。

でも、作品作りの楽しみは、実物に似ているかどうかを目指すだけ、って訳ではないのです。「何も考えずに描いただけ」「キレイな色を作りたかっただけ」「模様を作りたかっただけ」などと、描くことを楽しんでいる人って、本当は沢山いると思うのです。安易に、絵に名前をつけてしまうことは、そういう描くことそのものの楽しさを、白けさせてしまう場合もあるかな。

だからこそ、あえて「何を描いたわけでもないけれど美しいもの」を描く、と言う遊びかたを紹介しました。

描く、ということは、描きたいテーマや描きたい対象がある時だけではなく、色や形を遊ぶものとして、もっと自由であれば楽しいだろうなぁと思います。未就学に限らず、小学生、中学生になっても同じことです。描くことってこんなに楽しいよ、という一例でお伝えしました。ぜひ、その楽しさに出合って頂けたら嬉しいです。