親子のものを創るときに大切にしていること

子どもに関わる取り組みをしているうちに、親子に関わる取り組みも増えてきました。お母さん/お父さんとご一緒する時間が増えるうちに、親子に寄り添える人でありたい、子どもと大人の両方の想いをつなぐことのできる存在でありたい、と考えるようになりました。

昨日は、「子どもに向けたものを作る時に大事にしていること」を言葉にしましたが、今日は、「親子」の場合について言葉にしていきます。

1.大人の想いに共感する

自分の子どもって、やっぱり特別な存在です。とても大切だし、愛おしい。だからこそ、期待も大きいし、距離が近しいからこそ、冷静になれない場合も多い。子どもと真剣に向き合うと、難しいって感じる場面が沢山あります。

もちろん、難しいだけではなくて、楽しさも喜びも幸せも沢山あります。でも、お父さん/お母さんが、我が子と向き合うことを難しく感じるのは、それだけ子どものことを大切に思っているからです。

だから、そうだよね、難しく感じることは沢山あるよね、と、共感することを、まずは大切にしています。

「それだけ我が子を大切に思っているんだよね」という想いに共感して、その上で、「だから、こういうことから始めてみよう」という風に、お伝えしています。これならできる、と思ってもらうところから、親子のプログラムは始まると思っています。

2.大人自身も楽しむ

親子のためのプログラムを実施すると、大人たちは「子どもが楽しむための場所」だと思って、遠慮する場合が多いんです。子どものサポートに徹していたり、子どもたちが遊ぶ姿を1歩離れたところから見ていたり。確かにプログラムによっては、運営側の手が回らず、安全面などで保護者の方にサポートして頂く場合もあります。ただ、私が企画する時には、なるべく、大人自身も主役として楽しめるプログラムになるよう心掛けています。

理由は2つあります。1つは、子どもたちがどんなことを楽しんでいるのかを、実感してもらいたいからです。水とか絵の具と泥の感触を味わうとか、身体全体を動かすとか、高いところに登ると見える世界が変わる驚きとか、大きな声を出す気持ちよさとか・・・そういう楽しさを充分に味わって、子どもが遊んでいる時の気持ちを、少しでも知ってもらいたいと思っています。

もう1つは、大人が本気で楽しんでいる気持ちは、ちゃんと子どもたちに伝わるからです。お父さん/お母さんが心から楽しんでいる時、子どもたちも本当に喜びます。傍観的に観ているのではなく、自分の楽しいことを同じ目線で共有できることは、子どもたちにとっても大きな喜びです。親子にとって、そんな風に、同じ楽しさを心から味わえるきっかけを創っていきたいと思っています。

3.「効果」を拠りどころにしない

子どもや親子のためのコンテンツを開発していると「何かが身に付くこと」を、大いに期待されます。

例えば、心や身体の発達、何かができるようになること、能力を高めること、賢くなること、しつけに効果があること、生活習慣が整うこと、などです。

大人たちは、子どもに多くのものを身に付けて育ってもらいたいと思うので、「このプログラムは、○○に効果があります」「△△のチカラが伸びます」「□□の発達につながります」と言うと、喜んで参加してくれたりします。「これをやると、どんないいことがありますか?」と直接質問されることもあります。

保護者の方も、子どもに良い体験をしてもらいたい、と思えばこそ、なんですよね。「ただ面白いもの」ではなく、「役に立つもの」を経験させた方が、子どものためになるんじゃないか、と思ってしまうのだと思うのです。お値段の高いプログラムだった日には、まさに「これだけの値段を払うんだから、それに見合うだけのメリットがなくちゃね」と考えるのも、まぁ当然かなぁと思います。

だから、コンテンツを開発する私としても「●●という効果がありますよ」と、言いたくなります。その方が喜ばれるし、選ばれやすい。
でも、なるべく、なるべく「効能」を拠りどころにしないように気を付けています

どうしてか。子ども向けのコンテンツは「効能」を目的にした途端に、つまらなくなると思うからです。もちろん、あそびは、多くの学びにつながり、発達を促します。でも、子どもたちは、「発達を促そう」と思って遊ぶ訳ではありません。心から楽しみ、集中するからこそ、学びや発達に繋がります。順序が、逆なんです。

お父さん/お母さんにとって、「子どもとこんな風に遊ぶと、●●に効果がある」「子どもと一緒に毎日▲▲すると、こういう発達を促す」と言われることは、やってみようと思う、最初のきっかけになるかもしれません。でも、〈効果を期待して頑張る〉という気持ちは、あまり強くなりすぎない方がいい〈いい結果が得られること〉を拠り所に頑張ると、その〈結果〉が得られない時に、お母さん/お父さん自身が余計に苦しくなると思うのです。

親子のコンテンツを創る時に、こういう効果がありますって言うのは、開発する側にとっても、ついフラフラと頼りたくなってしまう言葉です。だからこそ、「効果」に頼らない。〈何かのため〉ではなく、親子で楽しむそのことが、充分にすてきなことなんだ、ということを伝えていこうと思います。

無理はしなくていい

お母さん/お父さんにお話をする時に、いつもお伝えしているのは、「頑張りすぎなくていいですよ」ということです。

正しく向き合わないといけない、とか、毎日●●しないといけない、とか、いい親でなくてはいけないとか・・・そんな風に考えなくていいんだよ、と。

でも「子どもと関わることは、ま、どうでもいいよねー」とは、私は思っていません。想いを込めて、丁寧に向き合うことが大事だよねと思っています。
もちろん、子どもと向き合うことって、時にはしんどいこともあるし、疲れてしまうこともある、ってことは、よく分かっています。分かった上で、それでも丁寧に向き合って欲しいから、「こんな方法ならば続けられるよ」「こんなに楽しいことがあるよ」「こんなに嬉しい気持ちになれるんだよ」というプラスの情報を伝えていくことを、いつも意識しています。

「親子遊び」も「手遊び」も「触れ合い遊び」も「絵本」も、全て、親子が関わることを助けてくれるものなのです教わった通りに遊ぶことや正しく歌うことが大事なのではなくて、それを知ることが、親と子を繋ぐことに役立ててもらえいたいと思いながら、親子のあそびについてお伝えしています。

まとめ:親子に向けて大切にしていること

親子に向けたコンテンツを創る時に大切にしていることを3つお伝えしました。

1.大人の想いに共感する
2.大人自身も楽しむ
3.「効果」を拠りどころにしない

どうして、この3つを大切にしているのか、それは、親子の時間って楽しいんだね」という実感を持ってもらいたいから、だと思うのです。

大人は、「ただ楽しい」以外に、ついつい色々考えてしまうから。
 人と比べなくていいよ。
 早くなくていいよ。
 うまくできなくていいよ。
 教えたり指導したりしなくていいよ。
 効果を求めなくていいよ。
 何かができるようになることは目的じゃないよ。
 頑張りすぎなくていいよ。
・・・とまぁ、色々な「しなくていいこと」を、わざわざお伝えすることも、同じくらい大切かもしれないなぁ、とも思っています。

お母さん/お父さんが、お子さんとの関わり方の引き出しを増やして、自分に安心感を持てるように、私にできることを伝え続けていきたいと思っています。