【キッザニア15周年】1人1人に 自分にとってのキッザニアがある

10月5日はキッザニア創業の日。今日で15年です。

キッザニアで体験ができる年齢は15歳までなので、創業の頃生まれた子どもたちが、キッザニアを卒業する、それくらいの時間が経ちました。

15年前。キッザニアは子どもたちが仕事体験ができる場所として一気に話題になり、連日沢山の親子に来場頂きました。

仕事体験の魅力に 多くの大人が気づいた

キッザニアを訪れ、私たちが準備したプログラムを体験した子どもは限られるかもしれません。でも、社会に伝えた影響は大きかったとずっと思っていました。
というのは、「仕事体験ってものが、子どもにとって楽しいコンテンツになる」ということが、一気に大人たちの共通の理解になったからです。多くの企業が、独自に自社の業務の「お仕事体験」や「バックヤードツアー」の実施を始めました。全国の学校やPTAさんから、行事の名称に「ミニ・キッザニア」や「○○(その地域や学校の名前)・キッザニア」など、キッザニア、と言う言葉をつけてもいいか、問い合わせの連絡を頂きました。

キッザニアが社会に対して何か貢献できたとしたら、それは、「子どもにとって仕事体験が楽しい」ってことを、大人たちに伝えられたこと。

そう思っていたんです。

やってみようかなぁ、を実現できる

その後、子どもの育ちや、あそびのことをもっと学ぶうちに、キッザニアという環境を、仕事体験以外の文脈で考えることができるようになりました。

今改めて考えると、キッザニアの企画をしていた時、私たちが大切にしていたことは、〈子どもたちの「やってみようかなぁ」という想いを後押しすること〉に繋がっていたなぁ、と思います。

子どもたちは、本来、心のうちに「やってみよう」のタネを沢山持っていると思うのです。どうしても実現させたい挑戦する、とか、ものすごく頑張る覚悟がある、と言う程でもなく、「なんか、ちょっとやってみようかなぁ」というくらいの、ちょっとした興味。

キッザニアは、そういう「ちょっとやってみようかなぁ」という軽い気持ちで、あれこれと試せる環境だったなぁと、今になって気づきます。「この仕事を一生追い求めよう」とか思う必要もない。あれこれ試しながら、子どもたちは身の周りことへと軽やかに興味を広げてくれたんじゃないかな、と期待しています。

こう考えると、子どもたちにとって、仕事体験は、目的じゃなくて手段だったのかもしれません。

彼らは、仕事体験を通して、始めてのことに挑戦できたり、いつもと違う自分になれたり、憧れを実現できたり、自分を尊重されたりする・・・という、〈新しいことへの興味〉と、〈それが達成できる喜び〉とを感じてくれていたんじゃないかなぁ・・・、と、思うのです。

1人1人「自分にとってのキッザニア」がある

そしてこれは、2021年時点、あそびの専門家としての私の、ごく個人的な振り返りです。
5年前、10周年の時は、こんな風に振り返っていました。今よりも、キッザニアの一員としての意識が強く、仕事体験という文脈で親子に何を伝えられるのか、自分の言葉で伝えようとする想いが出ています。

そしてまた、キッザニアと言う場を一緒に整えてきた沢山のスタッフがみんな、1人1人「自分にとってのキッザニアの意義」を持っているだろうと思います。

そして、子どもたちが、1人1人違う「何か」をキッザニアから学ぶのと同様に、大人たちも、1人1人違う「何か」を学んでいます。その多面性が、きっと、キッザニアの魅力なのだろうなぁ、と考えています。

私は、キッザニア卒業生の1人に過ぎませんが、それでも、毎年こうやって思い出すくらい、あの場が、好きです。
キッザニア15周年、おめでとうございます。