【小さな遊び】じっくりの遊び①:時間をかけて遊びに取り組むチャンス到来!

2020年2月末、新型コロナウィルス感染防止を目的として
小中学校が、全国で一斉に休校となることが決まりました。
その状況で、少しでも親子が良い時間を過ごすために
役立つ情報を提供したいと考え、
Facebook〈あそびのじかん〉で、
毎日「じっくりのあそび」を配信しました。
その時に紹介した「じっくりのあそび」ご紹介します。
じっくりの遊び Day1(2/29)-Day6(3/5)


Day1:ラップおにぎり

今回の一大事は
小中学校+幼稚園ということなので
小学校低学年くらいをイメージして
いつもより少し年齢層が高いものも
紹介できたらいいな。

親子遊びの鉄板は「お料理」。
特別感が出せて、
最後に食べる喜びがある。

大人に余裕がある時には
パンとか、凝ったケーキとか
親子チャレンジなメニューを
おすすめするけれど
長丁場の場合は
大人に負担がない方がいい。
大人にとっては守備範囲内のもの。

ということで
ラップおにぎり。
のり。花形にんじん。さやいんげん。
きゅうり。錦糸卵。ハム。
あとは、冷蔵庫にあるもので。

手をきれいに洗って
ラップの上に模様を作って
ご飯を載せて、きゅっきゅっ。
ご飯は、ふりかけ混ぜご飯でもいいし
酢飯でもいいし、塩むすびでもいい。

手を洗っているとはいえ
あれこれいじっていると思うので
完成したら、早めに召し上がれ。


Day2:紙ひこうき

今日は日曜日。
大人も家にいられる日かな。
1つの遊びで時間をかけるコツを
親子でやってみたらどうかな。

紙ひこうき。
誰もが知ってる紙ひこうき。
数分で簡単に作れる紙ひこうき。

まずは2~3種類の折り方を
調べておく。

それで2~3種類、折る。
折って飛ばして比べてみる。
そしたら、ちょっと折り方を変えてみる。
アタマを少し折って重くするものは
折り方の幅を変える。
切るタイプのものは
切り方のカーブを変える。
羽根をちょっと折ってみる。
アタマにクリップをつける。
羽根にクリップを付ける。
厚さや重さの違う紙を使う。

違う紙の面白さに気づいたら
包装紙とか
雑誌の切り抜きとか
柄のある紙を使っても楽しい。
マジックで模様を描いてもいい。
シールを貼ってもいい。

何パターンも何パターンも作って
飛ばしてみて
そしたら「賞」を作ろう。
遠くまで飛ばせる賞。
長く飛んでる賞。
ヘンな跳び方賞。
カッコイイ賞。
へなちょこ賞。

紙ひこうき1つでも
構造や見た目を変えたら
どんどん色んなことが試せるんだね
というパターンを知っておきたい。

こういう展開の面白さを知っていると
入り口がどんな遊びでも
じっくりやってみる、って
どういうことか
少し分かるんじゃないかなぁ。


普段から、1つのことで
じっくり楽しんでいる人は、
それでいい。
でも、あまりそういう楽しみ方を
経験していないとしたら
「こんな風に変えていくと
色々楽しめるよ」ってコツを
余裕のあるうちに
やってみるといいんじゃないかな。

まずは、基本が手軽なものを使って
あれこれと工夫する面白さに
気づいてもらえたらいいなぁ。


Day3:こすり出し

最初に遊びのヒントを出したら
子どもが自分で
あれこれやってみる時間が
なるべく長いものの方がいいなぁ。

今日の紹介は「こすり出し」。
凹凸のある素材を紙の下に敷いて
クレヨンや鉛筆でごしごしこすると
模様ができる、あれです。

こすり出し面白いよね、だけだと
アッという間に終わってしまうので
「お父さんお母さんに
 何のこすり出しでしょうかクイズを
 作ってね。全部で10問!」とか
ちょっとしたミッションを
投げかけてみたらどうかな。

遊ぶ時間は1人でも
それを後から親に伝えることができると
ちゃんと見てもらっている感があります。
「あーすごいねー」って終わらずに
クイズに解答する、という
分かりやすい応答があったら
いいんじゃないかな。

もちろん、ここから発展して
こすり出しアートを作ったら
それもとってもすてきですよ。
遊びのヒントは入り口にすぎないので
どんどん、子どもなりに
変えていったら何より嬉しい。

今日は月曜日。
いよいよ最初の1週間が始まりますね。
いきなり、1日中勝手に過ごしてね、というのは
子どもにとっても急なことなので。
少しずつ、
自分であれこれ工夫して
じっくり遊べる時間が長くなるといいな。


Day4:好きなもの図鑑

自分の好きなものが
沢山あつまると
何だか、嬉しい気持ちになるね
ってことを味わう遊び。

自由研究でもないし
どこに発表する訳でもないので
見栄えにはこだわらない。
自分が楽しかったらいいのです。

準備するものは
だいたい下記のような感じ。

・大きな紙 または ノート。
・新聞、チラシ、読み終わった雑誌
駅などでもらえる情報誌
捨てる予定の教科書 などなど
切り刻んでも構わないもの。
・シールやマスキングテープなど
テンションのあがるもの
・好きな筆記具
・糊

新聞や雑誌から、
自分がいいな、と思うものを切って
それを好きなように紙に貼る遊び。

大人は、ついつい
「仲間で分けて」とか
「キレイに貼った方がいいよ」とか
「見出しを付けたらどう?」とか
整ったものにしようと
アドバイスしてしまうけれど。

そこは「何でもあり!」の方が楽しい。
チラシを切りぬいたケーキの隣に
雑誌に載っていたかわいい雑貨があって
教科書の挿絵のちっちゃなうさぎが
ちんまり貼ってある、みたいな
「自分ワールド」が魅力的なんです。

電車、昆虫、スポーツ、歴史といった
何かしらの「ハカセ」は
大人が黙っていたって
統一感のあるものを選ぶし。
マメ知識だって書き込むだろう。

そして、楽しいものが並んで
自分の好きなようにレイアウトして
なんだかわくわくしたなーって
思えることが、何よりすてき。

遊びだからね。
そういう気軽さと自由さでいいのです。

5歳くらいの子どものノートには
新聞から切り抜いた「好きなもの」が
あれこれと貼ってあって。
お相撲さんだったり。
広告のモデルとしての鷲だったり。
4コマ漫画だったり。
はさみの使い方もまだ練習中で
切りあともギザギザしていて。
でも、「今まさに」好きなものの
ライブ感があって、活き活きしてる。

そういうライブ感は
刻一刻と変わっていくから
タイムカプセルみたいな
魅力があると思うのです。


Day5:影絵

部屋を暗くして
懐中電灯で照らすだけで
影絵の遊びは充分楽しめます。

雨の日は外の光が入りにくくて
ちょうどいい。

厚紙を好きな形に切って
セロハンを貼れば
きれいな影ができます。
写真は、懐中電灯にも
セロハンをかぶせて
色を変化させました。

でも。
この遊びの時
一番熱中してたのが
人形にポーズを取らせて
どんな影になるかと
あれこれやってみたこと。
強そうなポーズ。
ありえないポーズ。
ヘンなポーズ。

最後は、懐中電灯を壁に向けて
ぐるぐる回して
テンションが上がって
盛り上がってました。

そんな風に
子どもたちがどんどん
変化させていけば
いいんじゃないかな、と思います。

なお、子どもが使ってもいい
カメラがあれば
いい感じのものは撮ってもいいよ、と
渡しておくと
逐一「みてみてー」と呼ばれるのが
少し緩和されるかもしれません。

大人が想定していない方向に
発展していく遊びは
それだけ自由な余地のある
いい素材だったんじゃないかな、と
思っています。

大人がずっと見てなくても良いような
なるべく安全な素材で
あれこれ試す入り口になればと
考えながら、紹介するアイディアを
選んでおります。


Day6:絵本からあそぶ

昨日は、おうちdeまなび舎さんで
40分の授業(⁈)をやらせて頂きました。

おうちde”まなび舎”は、休校が決まった時に
いち早くスタートした、無料オンライン出前授業です。
Zoomを使い、5歳から小学校低学年を対象に
双方向の授業を無料でお届けしているチームです。
私も講師として登録しました。

こういう場を創ろう、と
いち早く動いてくださった方がいて
本当に有難いです。

さて、私の40分間は
絵本を読んで、
絵本にちなんだクイズをして
絵本の内容からイメージが広がる
工作をしました。
初のオンラインワークショップは
どきどきだけれど、新鮮で、
魅力的でした。
———-

さて。ちょっと舞台裏の話を。
今回活躍したのは、小2のムスメです。
こんな取り組みに参加するよ、と
話した時から興味津々で
工作のアイディアを一緒に考え
いくつもサンプルを作りました。
紙コップの「窓が開く」のは
ムスメ案で、決定。

実のところ、ここ数日、
母がせっせと「じっくり遊び」ネタを
投稿している横で
彼女は、時間を持て余してるように
見えたのですが、
俄然、張り切ったのでした。

ある程度の年齢になれば
誰かの役に立つこととか
目的が見えることとか
感謝されることとか
そういうことが
やってみよう、という
モチベーションになる場合も
あるよね、と思います。
子どものタイプもあるでしょう。

子どものタイプを
ちょっぴり気にしながら
過ごし方の提案をしていくと
いいのかもしれませんね。

オンライン遊びという、新しいチャレンジ。
初めてのことは、いつでも
どきどきするけれど
わくわくしますね。

遊びの入り口は
どこにでもあるし。
正解とか、良くできた、とか
関係ない。
自分で自分の愉しみを
見つけられるココロでいることが
大事なんだろうなぁ・・・と

ここ数日の騒動から
ぼんやりと感じています。


じっくりの遊びは、24日間、投稿を続けました。
投稿を続けるうちに、「じっくり遊ぶ」ために
どうしたらいいのか、少し見えてきたことがあります。
投稿を続けたことは、私にとっても意義深いことでした。