小学校低学年の頃、近くの大型スーパーに買い物に行くと、そこの文房具屋さんで「グリーティングカード」を見るのが好きでした。
絵柄のきれいなもの、ちょっとユーモアの効いたもの、コミック風のもの・・・その中でも、偶然あけたカードが〈とびだすカード〉だと、とても嬉しかったものです。
さて、この〈とびだすカード〉、基本の仕組みは、とてもシンプルです。基本の仕組みさえ分かれば、その先は、アレンジ自由。何がとびだしたら喜ばれるかしらと、考えるだけで、楽しくなってきますね。
では、〈とびだすカード〉作ってみましょう。
※なお〈とびだすカード〉と言っても、びっくり箱のように、「ぴょーん」と「跳ぶ」わけではなく、〈立ち上がるカード〉〈立体カード〉という方が現実に近いかもしれません。ただ、分かりやすく伝わりやすいので、〈とびだすカード〉として紹介します。
〈とびだす〉仕組み
①色画用紙を2つに折り、図のような印をつけます。
②図の実線にそって、はさみで切ります。
※最初の折ったのと逆向きに折って、2枚重ねて切るといいですよ。
※点線の部分は切りません!
③点線にそって、谷折りにして、立ち上げます。
④立ち上げたところに、とびださせたいものを貼ります。
※このままだと、ウラ側が穴のあいた状態なので・・・
⑤ウラに台紙を貼ります。
⑥かざりつけたり、文字を書いたりして仕上げます。
カードを作る前に・・・
さぁ、この仕組みを生かしてカードを作ってみましょう、と言いたいところですが、その前に1つ、大切なステップがあります。
それは、目的を意識すること。
目的、というと大層に聞こえますが、「誰に」「何を伝えるための」カードを作りたいのかを、カードを作る前にお子さんとお話することをおすすめします。
伝えたいことは、大げさなことである必要はありません。
「おばあちゃんに、みかんを送ってくれてありがとう、と伝える」とか。
「ともだちに、またあそぼうね、と伝える」とか。
「園の先生に、この前しんかんせんに乗ったよ、と伝える」とか。
お子さんが、カード作りたいな、という気持ちになるような、そういう心の準備をしてから、作り始めてみてください。
もちろん、何かを作ることとか、仕組みを試してみることが大好きで、何のためにカードを作るのかが決まっていなくても、「作る」だけで、わくわくして手を動かすタイプの人もいると思います。それならそれで、いいのです。
でも、「作ろう」と言った時に、「どうしていいか分からない」「何を作っていいか分からない」・・・だから、まぁ、ひとまず、見本の通りに作ればいいや、となる場合もありますよね。そういう時には、作りたくなる目的が見えている方が良さそうです。
特に「カード」って、誰かに送るものですもの。
「何を伝えたいか」が決まれば、どんなカードにすればいいか(何を、とびださせたいか)ってことも、イメージできそうですよね。
とびださせたいものは絵でもいいし、「ありがとう」とか「おめでとう」「またあそぼう」みたいな言葉でもいいんです。作って、貼ってみます。それから、まわりを飾り付ける、という風に進めていけば良いですよ。
〈とびだすカード〉いろいろ紹介
さぁ、ここからは、とびだす仕組みを使うと、こんな風にできますよ、という事例集です。
たくさん とびだす
ひよこたちが並んでいます。正面の写真だと、どの子が立体的か、分かりにくいかな?
ななめから見ると、分かります。真ん中の3羽。同じ大きさの切りこみを3カ所に入れています。
大きくとびだす 小さくとびだす
同じカードの中で、とびだす仕組みの大きさを変えることもできます。
小さなネコ?子ライオン?と、大きなライオン。
身体の大きさに合わせて、とびだすサイズも変えて見ました。切りこみのサイズを変えて作っています。
仕組みを〈たて〉に使う
同じ仕組みで、カードの開き方を変えてみると、立体の見え方が変わってきますね。キリンがお互いに向き合うようにしてみました。
仕組みをななめに折る①
キリンのように〈たて〉に使う時に、仕組みの部分をななめに折ってみました。はさみで2か所切る時の、切る長さを変えています。(カードの下の方を、長く切っています。)
ななめに折ると「とびだしている」感じが強くなります。
仕組みをななめに折る②
さくらのカードを作りながら、とびだす部分が「いれもの」みたいだなぁ、と思ったので、さかさまにして、「いれもの」の感じを生かしてみました。
かごに入ったイースターエッグをイメージして作りました。他にも、花束や、アイスクリームコーンなども作れそう。
いかがでしたか。
仕組みはシンプルだからこそ、色々なアレンジが楽しめる〈とびだすカード〉。どんなカードを作りたいかなぁ、って、相談しながら、ぜひ作ってみてくださいね。