1年生の最初に「できない」「分からない」が言える人になれたらいいな、と思う

4月です。入学を迎えたご家庭も多いと思います。
入学は喜ばしいけれど、いざ新生活が始まってみると、不安です。何が不安って、親自身が、新しい環境のことがよく分からないから、不安なのです。

下駄箱から教室まで、ちゃんと行けるんだろうか。場所はちゃんと覚えているのかなぁ。
あの持ち物は、持って行かせたもので間違っていなかったか。一体何に使うんだろうか。
ハンカチを持って行っているのに、使った形跡がないのだけれど、ちゃんと手は洗っているのかなぁ。
上靴はどれくらいの頻度で洗濯したらいいんだろう。体操服の名前は大きく書きすぎたかな。

・・・不安のタネを数え上げればきりがない。心配している方には申し訳ないけれど、どうでもいい、と言えば、どうでもいいようなことです。とはいえ、始めての経験って、そういう、一見どうでも良さそうなことが不安になるのですよね。

そして、不安を感じた親御さんは、こう思う場合が多いみたいです。「もう1年生なんだし、ちゃんとさせなきゃいけない!」
忘れ物もしない。宿題もちゃんとやる。学校のプリントもちゃんと出す。先生に言われたことを親に伝えられる。
できなくちゃだめよ、もう1年生になったんだから、って。

子どもって、とても一生懸命な人たちです。大人に言われたことを一生懸命達成しようとしてくれます。
でも、がんばってできることと、できないことがあるのです。当然です。だから、お子さんができないことがあった時に、「1年生だからできるようにならなくちゃ」って言ってしまわないで欲しいのです。

何て言ったらいいのか?
「できない、って言えて、えらかったね。」

完璧であることを求めてしまうと、何かちょっとでもうまくいかなかったこと、忘れちゃったこと、間に合わなかったことは、全部「できなかったこと=よくないこと」になってしまいます。

できなくっていいんだよ。分からなくっていいんだよ。みんな初めてなんだ、できなくて当たり前なんだ。だから、自信を持って「できない」って言おう。「できない」って言えば、誰か助けてくれるかもしれないし、やりかたを教えてくれるかもしれない。「できない」って言えることが、素晴らしいんだ、という、スタートを切れたらいいな、と思います。

子どもたちが「できないこと」「分からないこと」は良くない、とインプットされてしまって、「できない」「分からない」ことを人に言えなくなってしまわないといいな。年齢が上がっても、自分ができないことを人に言える、分からないことを「教えて」って言えると、随分生きやすくなりそうです。

だからね、まずは、親自身の不安を、振り払いましょう。「自分は保護者1年生なんだから、分からないことがあって当たり前!」って。最初から、何でもちゃんとやろう、と思わないで、親も子どもも、1年生。「できないよねー」「分からないよねー」って、気軽に過ごせたらいいなぁ、と思っているのです。

入学、おめでとうございます。