【小さな遊び】じっくりの遊び③:「楽しいこと」を自分で見つける

2020年2月末、新型コロナウィルス感染防止を目的として
小中学校が、全国で一斉に休校となることが決まりました。
その状況で、少しでも親子が良い時間を過ごすために
役立つ情報を提供したいと考え、
Facebook〈あそびのじかん〉で、
毎日「じっくりのあそび」を配信しました。
その時に紹介した「じっくりのあそび」ご紹介します。
じっくりの遊び Day13(3/12)-Day19(3/18)


Day13:お日様を浴びよう

1人の保護者として、
我が家の子どもたちには
「公園で遊ぶのはいい」にしていました。
でも、色々な考え方の大人がいるし。
まだ分かっていないこともありそうだし。
休校中の過ごし方については
あえて?というくらい、
曖昧に示されていたので
何かを安易に発信しないでおこうと
思っていました。

なので今回の見解は
そんな風に言葉にしてくれて
ちょっと助かるな、という印象です。

「不要不急の外出を控えて」と言うけれど
子どもにとって「あそび」は
育ちのために欠かせないもので
「要」だし「急」です。
今のあそびは、今の成長に必要だから
子どもの身体が欲しているのです。
「息抜き」なんかじゃない!

ちょうど、文科省から「症状がなければ」
「休校中、公園行ってもOK」という見解が出た
というニュースを見て、ちょっとほっとしました。
ですから、今日の「じっくり遊び」は
じっくり外遊び。

走り回る。
坂道や階段を登ったり降りたり。
縄跳びの練習。
スキップの練習。
砂に絵をかく。
咲いている花・咲きそうな花を見つける。
近所にどんな形の葉っぱがあるか見つける。
生き物さがし。
雲の形を何かに見立てる。
ビニール袋にタコ糸を付けたミニ凧持って走る。
道の日なただけ見つけて歩く。
乗っていいところで自転車。

大勢の友達を集めたり
ぎゅっと近くに寄ったり
遊具を使ったりしなくても
色々な過ごし方ができるよ。

お日様と風を
沢山浴びておいでね、って
言いたいなぁ。

子どもにとっての、あそびは
息抜きでも、気晴らしでもなく
育ちのために必須だと
考えているのです。

あそびは まなびだし。
まなびは あそびだし。

子どものあそびを守ることのできる
大人でありたいと、思うのです。


Day14:ヘンな生き物づくり

工作系は
「うまいかどうか」という
評価軸に乗らないようなものの方が
自由に楽しめると思ってます。
家で遊んでいるだけでも
「うまくつくろう」と思うと
自分が本当に作りたいものと
少しずれてきてしまうので。

というわけで
最初から「上手」を追求しない
「ヘン」なものを目指そう
というのが
「ヘンな生き物づくり」です。

材料は何でもよい。
スポンジ・ストロー・モール
空き箱・新聞紙・ラップの芯
リボン・なんか紙
とかとか。

目があれば、生き物っぽくなりますが
あえて目がなくてもいいし。

色々作ったら
「どれが一番ヘンかな賞」を
家族で選んだりして
楽しんでみてください。

何の教育的目的もありません。
面白がってね。


Day15:「はてな?」探し

子どもの知的興味は
「はてな?」から
深まるんじゃないかな、と
思うのです。

だから
子どもが、身の回りのことに
興味を持ったらいいなぁって
考えるなら
「はてな?」を
沢山さがしてみたらどうかな、と
思うのです。

例えば。
パンを焼くと色が変わるのはなんで?
電子レンジであつくなるのはなんで?
ご飯ってどうやって炊けるの?
髪の毛が伸びるのはどうして?
子どもには、なんでヒゲがないの?
どうやったら石鹸の泡が一杯作れる?
お風呂の鏡がくもるのはなぜ?
早く明日になるにはどうしたらいい?
自分でも分からないけど
 イヤな気持ちの時があるのはなんで?
気の合わない友達とは
 どうしたらいいのかなぁ?
遠くのビルが見える日と
 見えない日があるのはどうして?
夕焼けが赤いのはなんでなの?

家の中にも、「はてな?」は
たくさんあります。
親子で「はてな」探し競争なんて
どうかしら?
競争、と言っても、
競うことが目的ではなくて
ただ沢山考えたいだけ。

見つけた「はてな?」は
紙に書いておきましょう。

すぐに、全部の答えを
出さなくて良いのです。
調べたいものが1つ2つあれば
関係する本で調べるのもいい。
でも、「はてな?」なままで
置いておいたっていい。
ずっとずっと後になって
「あ、あの時の答えはコレだ!」って
分かるかもしれない。

「はてな?」のストックがあることは
新しい興味の入り口があることだと
思うのです。
いそいで答えを探すことが
必ずしもいい訳ではなく
「はてな?」と一緒に生きてくって、
良さそうだと思いません?

子どもが1人でも
じっくり過ごせるような
遊びを紹介したいなぁと
思っていますが。

たぶん、自分の中に
テーマを持ってる子どもは
大人が提案しなくても
それぞれに、じっくりと
好きなことをしながら
過ごしているのでしょう。

その入り口は
「はてな?」を持ってることかな
と思うのです。

今日は土曜日。
「はてな」さがしに
大人も、ちょっと
付き合ってみたらどうかな、と
思ったのです。


Day16:写真でクイズ

子どもの撮る写真の面白さを
味わったことは、ありますか?

視点が違うのです。

何かのアップとか。
地面とか。
自分の手とか、頬とか。

視点と切り取り方が変われば
こんなにも違って見えるのかと
はっとします。

ならばそれを遊びに。

家の中で遊びます。
お互いに見ていないところで
何かを撮影し
それをどこでとったかを
当てあいっこします。

撮るものとレンズは
げんこつ1個以上は離す、など
簡単なルールは
あった方がいいかもしれません。

身近なものの意外な見え方を
相互に楽しんでみてください。

もし、お子さんが
大人の見ていないところで
カメラを使うのは、ちょっとな、と
思う場合は
「虫眼鏡のフレーム」でも
同じような楽しみ方はできます。
レンズの入っていない、
フレームだけの虫眼鏡を用意します。
手作りでも良いです。
のぞいてみると、
そこだけが、切り取られて
いつもの場所が違って見えたり
新たな発見があります。

いつもと違って見える世界を
親子で楽しめたらいいですね。

子どもの視点を
面白がって
それを 遊びに。
見方が変われば
世界は 違って見える。


Day17:春のさんぽ

外に出れば発見が一杯!
あえて「春」だから
楽しい散歩ってなんだろう
・・・それは、新年度への期待じゃないかな
って思ったのです。

「春の散歩」
学校や保育園への通り道。
いつもは通り過ぎるだけでも
時間をかけてゆっくり歩けば
楽しい発見があるかもね。

いつもの春も、そう思っていたけれど
今は、特に、そういう発見が大事かもしれない。

「今は、特に、」というのは

今までの日常とは
その時間の流れ方が変わって
普段できないことが
できるかもしれない時期、ってこと。
新しい発見があったり
いつもと違うことに思いを巡らせたり
普段できないことに取り組めたり。
そんな風に
活かせるかもしれない。

新しい季節に向けた期待を持ちつつ
1日1日が、良い日でありますように。


Day18:遊びつくす

『〇〇であそぼう』という類の
本があります。

「あやとり」
「おりがみ」
「切り絵」
「紙コップの工作」
「新聞紙であそぼう」
「〇〇クイズ」
「めいろ」
「パズル」
「絵さがし」

これ1冊、買うか借りるか
とにかく手元に用意して
片っ端から全部やってみる。

工作系は
材料が、簡単にたくさん
手に入るものがいいです。
「小学生の工作」みたいな本だと
1個ずつの素材を集めるのが
ちょっと手間がかかる。

1つずつの負担は軽く。
その代わり、1冊全部を
やりきっちゃおう、という
楽しみ方です。

最初は、子どもの実力よりも
すこーし簡単めの本を選んだ方が
最後までできると思います。

1冊全部は達成感がある割に
1個ずつ、ちゃんと完成するので
途中でやめても、
それはそれで満足です。

私は、小学生の頃、家に合った
「あやとり いととり」という
3冊セットの本を観ながら
全制覇を目指しました。
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=1482

なんでだろ、
全部できるようになりたかったのです。
今もいくつかは指が覚えています。

何かをやりきったよ、って思えると
それは自信になって
自分を肯定できるきっかけにも
なるんじゃないかな、って思います。
が、それは、後付けの話で。

何かをやりつくすうちに
だんだん楽しくなって、夢中になる。
夢中になれること、そのものが
私はすてきだと思います。

1つのことを
やりつくす遊び。
時間がある、今だからこそ。


Day19:ジオラマをつくる

じっくりのあそびを考えると
どうしても「創る」あそびが
多くなります。
「創る」あそびというのは
モノをつくるだけでなく
楽しみそのものを
自分でつくっているのでしょう。

今日は、ジオラマ。
ジオラマ、と言っても
難しいものではなく。
箱の底と、側面に背景を描いて
そこに立体のものを並べて
情景を作ってみよう
というものです。

絵本の一場面。
家の中。
生き物好きなら生き物の住む景色。
乗り物好きなら乗り物が走る景色。

などなど
好きな場面を作ると
楽しくなってきます。

側面は、厚紙に
クレヨンかマジックで描きます。
立体物は粘土を使ってもいいし
家にある小さなおもちゃや
積木やブロックも使えますね。

あそびに、決まりはないのです。
わくわくするものを
どんどん取り入れてみてくださいね。

色々なあそびを
バランスよく紹介したい、と
想いながらも
じっくり遊べる・・・と考えると
やはり「創る」ものが
多くなるなぁ、と思います。
そもそも「創る」ことが
何もないところから
楽しさを自分で見出すこと、なんでしょうね。


じっくりの遊びは、24日間、投稿を続けました。
投稿を続けるうちに、「じっくり遊ぶ」ために
どうしたらいいのか、少し見えてきたことがあります。
投稿を続けたことは、私にとっても意義深いことでした。