【小さな遊び】じっくりの遊び④:親子時間をこどもが演出する

2020年2月末、新型コロナウィルス感染防止を目的として
小中学校が、全国で一斉に休校となることが決まりました。
その状況で、少しでも親子が良い時間を過ごすために
役立つ情報を提供したいと考え、
Facebook〈あそびのじかん〉で、
毎日「じっくりのあそび」を配信しました。
その時に紹介した「じっくりのあそび」です。
じっくりの遊び Day20(3/19)-Day23(3/22)


Day20:お出かけ計画を立てる

カレンダー上は明日から3連休。
どう過ごしましょうか。

今日のうちに、
子どもに計画を考えてもらうのは、
どうでしょう?

「お出かけの計画立ててね」と
ただ言うだけでは
「わんぱく公園に行く!以上!」のような
シンプルな感じで
終わってしまうので
「何を考えなくちゃいけないか」を
いくつか伝えておきます。

行き先・行き方・何をするか
出発予定時刻と帰宅予定時刻
持ち物は何が必要か
お昼ご飯はどこで何を食べるか

色付きペンと、無地の紙を渡し
計画書をかいてもらいます。

家族で相談して決めるから
2か所以上考えてね、とか
家から〇分以上かかる
普段は行かないところにしよう、とか
お子さんのタイプに応じて
ちょっと条件をつけることもできます。

計画書に従って
今日のうちに荷物も準備しましょう。

楽しいことを
いつも誰かにお膳立てしてもらって
それが当たり前になると
楽しいことの中でも
「特にわくわくする部分」を
味わう機会が減るんじゃないかと
思います。

「特にわくわくする部分」とは
どうやったら楽しいだろう、って
自分であれこれと工夫することです。

だから、計画を立てることから
あそびは始まっている。
あれこれ考えるところが
「特にわくわくする」ってことを
経験できれば
他の場面でも、楽しみを自分で
創り出せるようになるんじゃないかな。

楽しみ、というのは
自分で創り出すものだ。
子どものうちに、
その実感を持つことができたら
たぶん
人生も楽しくできると思う。

ちょっと大げさな言い方だったかな。


Day21:計画の決行!

子どもに遊びの計画を
立ててもらったら
週末のうちに、決行したいですね。

近所の公園で過ごすのもいい。
目的地に行く途中を楽しむのもいい。
パンを買いに行くのが目的でもいい。

計画にあまり縛られず、
とはいえ
子どもの立てた計画は
きっちり尊重すると
心地よく過ごせそうですよ。

目的と違うけれど
興味深いものを見つけた時に
「ここにも行ってみたいな」って
提案してもいいと思います。
でも、その時に
「計画は計画として、
まぁ臨機応変でいいよね」ではなく
リーダーであり計画者である子どもに
敬意を表することが、大事かな。

出掛ける中身は
いつもと一緒だとしても
「自分で計画して、実現させた」
って思うと
ちょっと特別な気持ちになれます。
その過程の全てが、遊びですね。

すてきなお出かけになりますように。

遊びの計画を考えたら
家族で、やってみよう。

遊びは、自然に発生したり
ライブの中で形を変えたり
計画とは縁がないように
見えるけれど。

大人が子どもに提供する「計画」でなく
子どもが、どうやったら楽しいだろうって
考える「計画」ならば
その考える過程そのものが、遊びになる。

自分が何をしていると楽しいか
どんな状況を心地よく感じるか
・・・ってことに、自覚的になれば、
遊びが自然に発生するのを待たなくとも
自分であそびのじかんを
創り出せるようになると思う。

だからこそ、子どもの計画を
尊重してあげたい。
でも、計画してないけれど
心惹かれることを、子ども自身が見つけたら
計画に縛られなくていいんだよって
ちょっと伝えてあげるのもいいかな、と思う。

遊びには気づきが一杯だ。


Day22:チチ/ハハの好きなこと

じっくりの遊びを
紹介してきて気づくのは
じっくり遊ぶためには
何をするかってことよりも
どれだけ熱中できるかってことが
ポイントだな、ってことでした。

だから、どんな遊びだったら
「じっくり」取り組めるのかは
人によって違う。
でも、この遊びが大好き、という人が
その魅力をナビゲートできたら
熱中に近づきやすいんじゃないか。

チチ/ハハが、自分の好きなことを
子どもと一緒に楽しむのは
すてきだと思うんです。

好きな音楽を聴く。
好きな映画を観る。
演奏する。
散歩。
サイクリング。
ジョギング。
料理。
DIY。
手芸。
美味しいものを買いに行く。

大人が自分の好きなことを
自分のために満喫する姿は
きっと子どもにも嬉しい。
そんな1日があってもいいな

じっくりの遊び。
子どもが楽しめる材料は
きっと一番身近なところにある。

という想いと。

大人だって、なんとなく閉塞感があって
気持ちが晴れないかもしれないからこそ
自分の好き、や、楽しい、を
大事にしようよ。

という想いと。

だから、大人の好きなことを
親子で一緒に楽しむ、なんて
どうでしょうか?


Day23:インタビューあそび

『子どものことを子どもにきく』
(新潮OH!文庫/杉山亮著)
という本を読んだのは
まだ母になる前のことでした。

3歳から10歳の間
ご自身の息子さんに
毎年インタビューをした
その記録です。

これが実に面白かった。
筆者である「お父さん」が
子どもに何か教えようとか
教育的に導こうとか
そういうんじゃなく
その年齢、その年齢の
子どもの持つ世界を
まるごと面白がっているので
子どもの世界の魅力と不思議が
ダイレクトに伝わるのです。

言葉を交わすというのは
誰かと一緒に過ごすときに
とても奥の深いことだなぁ、って
感じます。

さて、みなさんのお子さんは
お父さんお母さんのことを
どれくらい知っているかしら?
・・・好きな食べ物。好きな色。
何をしている時が楽しいのか。
こわいものは何か。
子どもの頃好きだった遊び。
将来の夢。(大人にもありますとも!)
子どもの頃に失敗した話。
仲良しの友達。
今までにどんな冒険をしたのか。

普段は聴かないようなこと。
お互いに、
インタビューごっこ、
してみませんか?

何か教えようとか。導こうとか。
まして子どもに無理に答えさせるのでなく。
お互いに、
「へー、もっと知りたい」と思う
興味深い話。

ちょっぴり照れくさい時には
手作りマイクなんかの小道具が
あそび感を盛り上げてくれるかも。

私の語る「あそび」は
守備範囲が広いので
親子で、いかに過ごすか
ということは、
おしなべて「あそび」かな、
と思うのです。
時間があるからこそ。
普段と違うことを、話す。

子どもたちって
お父さんお母さんの
子どもの頃の話とか
自分のちっちゃい頃の話とか
好きですよね。


じっくりの遊びは、24日間、投稿を続けました。
投稿を続けるうちに、「じっくり遊ぶ」ために
どうしたらいいのか、少し見えてきたことがあります。
投稿を続けたことは、私にとっても意義深いことでした。