【小さな遊び】じっくりの遊び②:「作るあそび」で作っているのは〈作品〉ではなく〈楽しさ〉

2020年2月末、新型コロナウィルス感染防止を目的として
小中学校が、全国で一斉に休校となることが決まりました。
その状況で、少しでも親子が良い時間を過ごすために
役立つ情報を提供したいと考え、
Facebook〈あそびのじかん〉で、
毎日「じっくりのあそび」を配信しました。
その時に紹介した「じっくりのあそび」ご紹介します。
じっくりの遊び Day7(3/6)-Day12(3/11)


Day7:手作りゲーム

手作りゲームの好きなところは
「作る」→「遊ぶ」という
それぞれの局面に楽しさがあること。
「遊ぶ」→「改良する」→「また遊ぶ」
という遊びの変化が
イメージしやすいこと。

今日作ったのは
ボタン型の磁石を入れて
紙粘土の球を作ったもの。
持ち球を、おはじきのようにはじいて
白い球にぶつけます。
双方に磁石が入っているので
ぴょん、っとくっつく。
白い球にはマジックで点数が書いてあり
獲得点数を競います。

『科学実験』という本に出ていたのは
ここまで。

さぁ。どうやったら面白くなるか。
マイナスポイントの球を作る。
持ち点がゼロに戻る球を作る。
どこからはじくのか。
くっつかなかったら、やり直せるのか。
相手をジャマできるのか。

色々なルールで試してみて
接戦になって面白そうなものを探す。


Day8:フェルトで作る

いつもは使わない素材を出すと
その目新しさが嬉しくて
使うことが楽しくなります。

紙と空き箱の工作だけでなく
フェルトなんてどうですか?

フェルトで作る、と思うと
ちっちゃなマスコットを
ちくちく作るイメージがあるかな。
大人の気持ちと時間に余裕があれば
縫い方を教えながら
ちくちく、一緒に作れそうです。

難しすぎることを
無理することはないので
例えば、左上の写真は、
まわりは子どもが自分で縫って
細かな模様は
ボンドでぺた、っと貼ってます。

でも。
できたら、子どもが1人で
遊んでくれると助かります
という場合は
「縫い物」だけが
フェルトの使い方ではないのです。

右下の写真は、厚紙にフェルトを貼り
色々な形に切って作ったオブジェ。
ここに、ボタンやリボン、
あるいは自然素材をボンドで貼ると
それだけで
すてきな作品になります。
フェルトの質感があるから
貼るだけで充分なのです。

それから、
裏がシールになっているフェルトに
マジックで絵を描いて
布の袋に貼ったもの。
(しばらく私の携帯ケースでした。)

気負わず異素材を足して
遊びや創作の幅が
ちょっと広がるといいですね。

せっかくだから普段できないこと

というのと

親も気持ちの余裕がない時があるので
できたら子ども1人で遊んでほしい

というのと

なかなか兼ね合いは難しいところですが。

無理なく、目新しい程度に
いつもと違うものが使えるのは
良いと思いますよ。


Day9:手紙を出す

手紙って、かなりのものが
送れるんですよね。

中学生の頃
友達と送り合った手紙の中身は
どんどんエスカレートして
折り紙
しおり
雑誌の切り抜き
ビーズの指輪
ビニール製の花の茎に手紙を結んだの
・・・とかとか
どんどん中身が分厚くなっていきました。

封筒を手作りしたり
便箋を十二単のように重ねたり
色々と遊んだものです。

友達や親戚に、手紙を書く。
好きなものを一杯いれる。
切手を選んで、貼って
ポストに投函する。
(学校の友達だったら
 おうちに直接ポスティングしても。)

そういう
手間をかける楽しみ、を
味わうのも、いいんじゃないかな。

手間をかける喜び。

この長い休みは
そういう楽しさに味わえる
チャンスになるんじゃないか。

子どもも。おとなも。


Day10:粘土でお弁当作り

ちょっとしたガイドが
気持ちを盛り上げることに
つながります。

今回は「お弁当箱」。
本物です。
ここに、粘土で、お弁当を作る。

大きさのイメージがつく。
仕上がりが本当っぽくなる。
未就学でも大きいクラスの人や
小学生になると
「イイ感じに作れてるぞ」という
実感が、楽しさのエンジンになって
もっともっと
こだわりたくなります。

大人だって
「気の利いたことを3分話して」
って言われるよりも
「卒業の思い出を3分話して」
って言われた方が
とっかかりがあるでしょ?

なお、
写真のお弁当箱は
使い捨ての容器ですが
100均などの普通のお弁当箱や
蓋が壊れたりしたお弁当箱を
遊び用に1つ用意してもいいのです。
白い粘土に、絵の具で色付けしています。

ラーメン(小6作)と寿司(大人作)は
番外編、ということで。

ちょっとした小物が
気持ちを盛り上げて
作るのが楽しくなるよね
というのが
今日の一番のポイントです。

週末、子どもたちに
サンプル協力してもらい作った
「食べ物」たち。

好きな食べ物は
おいしそうに作れるらしい。
ムスメの肉と
ムスコのラーメンに
愛情を感じます。ふふふ。


Day11:お弁当を作って食べる

昨日は粘土のお弁当だったけど
今日はホントのお弁当です。
大人の誰かが家に居て
一緒にお昼ご飯食べるご家庭向け。

朝、お弁当を作る。
おかずは大人が作ってもいい。
トマトを洗うとか
子どもがやってもいい。
でも、包丁を使ったり
火を使ったりする作業は
普段やっていなかったら
ムリしなくていいよ。
(チャレンジは楽しいけれど
大人が精神的に疲れるので。)

お弁当箱に詰めるのは
子どもの係。
ご飯も詰める。
ぐちゃってなっても構わない。
持ち歩く訳じゃないしね。

朝のうちに詰めてしまえば
台所も片付くし。
ご飯の時間になったら
子どもにセッティングしてもらって
いただきます!

詰めるだけ?って
思うかもしれないけれど
子どもにとっては
普段自分でできないことだから
充分喜びますよ。

「こんな些細なこと
楽しくないんじゃない?」って
大人が決めない方がいいと
思うのです。
子どもは、きっと
楽しむチカラを沢山持ってます。

ムスメが2歳の頃。
ムスコが毎日お弁当で
「おにーちゃんと一緒がいい」って
ムスメの分もお弁当を作った。

特に最初の頃は
うれしくて、待ちきれなくて
朝ご飯に半分食べて
お昼ご飯にもう半分食べてた。

お弁当って、どうしてか、嬉しいんだよね。


Day12:カードゲームを作る

じっくりのあそび、と考えた時
最初に思いついたのは
「手作りトランプ」でした。

厚紙(裏写りしない厚さ)を
適切な大きさに切れば
せっせ、せっせと 作れるので。

でも、52枚ものカードに
絵を描き続けるのは
好きな子は好きだけれど
興味のない子は、苦行で。

だから、「数のうち」と
言えるくらいネタが集まるまで
少し紹介するのを待っていましたが
そろそろ、いいかな。

苦行にしないために、
厚紙に数とマーク(スート)を
描くところまでは、
大人が準備してあげて
絵が仕上がらなくても
遊べるようにした方が
良さそうです。

絵を描くことをプレッシャーにしない。

絵を描く時は
「ハートは、どうぶつでー
 スペードは、くだものでー」と
系統立てて描くのが好きな人と、
思いついた順にどんどん描くことが
好きな人といます。
これはタイプです。
いいとか悪いとか
そういう話ではない。

描きたいように、描けばいい。

それでも、この遊びを紹介するのは
52ものモチーフ、って
なかなか描けなくて
そうすると、子どもが思いつくものが
総動員されて、意外なものが絵になる
その様子が、ホントに面白いからです。

1日で仕上がる必要もないので
気長にやれたら、いいかもしれない。

なお、
もう少し手軽なのは
同じ絵柄を2枚ずつ描いて
「絵合わせ(神経衰弱)」をする
カードゲーム。
8枚くらい描けば、遊べます。

誰でも好きな遊びか、
というと
そうでもないので
紹介するのをためらっていましたが
まぁ、たった1人に届いたとしても
それでも充分意味があるかな、と思い
「手作りトランプ」のネタです。

子どもの描く絵は
その人が世の中を
どう認識しているのかが垣間見えて
とても、惹かれます。


じっくりの遊びは、24日間、投稿を続けました。
投稿を続けるうちに、「じっくり遊ぶ」ために
どうしたらいいのか、少し見えてきたことがあります。
投稿を続けたことは、私にとっても意義深いことでした。